中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)は13日夜、同国の2つの大手国有銀行に計約1兆2000億円規模の融資枠設定を求める計画を公表した。
米国からの制裁で今後、一段と資金繰りが難しくなると予想されるため、支援を求める。ZTEの経営の先行きがなお不透明だとして、14日の深圳市場で同社株は2日連続で制限値幅の下限まで下げ、25.36元で引けた。

 一方、香港市場での終値は14日、前日比1.07%安の14.8香港ドル。こちらも2日続落した。  ZTE株は13日、ほぼ2カ月ぶりに取引が再開されたばかり。国有銀への支援要請方針も株価の下支えにはならず、この2日間で時価総額が計4700億円ほど減った。



 ZTEが求める融資枠は中国銀行が300億元(約5200億円)、国家開発銀行が60億ドル(約6600億円)。29日に開く株主総会で承認を得たうえで正式決定する。

 ZTEに対する米国の制裁は、7日に米中が合意して解除が決まった。同社が米国側に最大14億ドルの罰金を支払うことなどが条件だ。このほかにも制裁で停止した工場における人件費負担、当面の販売低迷が確実なため、今期は1兆円近い巨額損失が見込まれる。
制裁解除の条件の一つである経営陣の全面刷新も見通しが立っていない。