アップルの「iPhone(アイフォーン)」など有力メーカーのスマートフォン向けに部品・部材を供給するメーカーは、成長への勢いがある。一方、2017年度に期待された有機ELパネル搭載のスマホが市場で苦戦し、18年度は“液晶回帰”が起きるなど、需要を見通すのは難しい。ディスプレーの中核部材である偏光板で高シェアを持つ日東電工の高崎秀雄社長に、不透明な時代の事業戦略を聞いた。
―流行が移ろいやすい、スマホ用ディスプレーの現状をどう見ていますか。
「普及のきざしのあった有機ELはまだ高コストで、供給体制も不安定なため、液晶へ“一時避難”が起きた。これにより業績が浮き沈みする企業もあるが、当社は液晶、有機ELのどちらでも構わない。技術的に成熟したといわれる液晶でも、パネルの中にカメラが設置されるようになっており、偏光板を切り抜く当社の加工技術が生きている」
―19年はアップルが自社商品に有機ELを全面採用するという予測もあります。需要をどう取り込みますか。
「有機ELパネルは折りたためる『フォルダブル』に向かう。そこでフィルムの接着剤などを刷新し、10万回超の曲げに耐えられる偏光板を開発した。偏光板を売るだけなく、設計から品質保証まで一括で請け負える。顧客から『先端分野は日東電工にすべて任せる』と言われるようなビジネスモデルを目指す」
―一方、テレビ向け偏光板の利益確保は課題です。
「テレビ用偏光板も薄型対応になった結果、テレビの発する熱で偏光板が縮み、他の部材を損傷する懸念が生じた。当社の最新の偏光板ならば、この課題を解決できる。国内に加え中国工場でも最新の偏光板を生産し、それ以外は中国の提携先に生産移管する計画だ。ただ、こうした先端品の生産に特化しても利益の確保は楽ではない」
―21年3月期に売上高1兆円を目指す中期計画を策定しました。
「有機ELパネルは折りたためる『フォルダブル』に向かう。そこでフィルムの接着剤などを刷新し、10万回超の曲げに耐えられる偏光板を開発した。偏光板を売るだけなく、設計から品質保証まで一括で請け負える。顧客から『先端分野は日東電工にすべて任せる』と言われるようなビジネスモデルを目指す」
―一方、テレビ向け偏光板の利益確保は課題です。
「テレビ用偏光板も薄型対応になった結果、テレビの発する熱で偏光板が縮み、他の部材を損傷する懸念が生じた。当社の最新の偏光板ならば、この課題を解決できる。国内に加え中国工場でも最新の偏光板を生産し、それ以外は中国の提携先に生産移管する計画だ。ただ、こうした先端品の生産に特化しても利益の確保は楽ではない」
―21年3月期に売上高1兆円を目指す中期計画を策定しました。
「中計で大事なのは1750億円の営業利益だ。当社はまず利益目標を立てる。次に利益率から売上高を逆算したら、1兆円という数字が出ただけ。やろうと思えば、本年度にも1兆円は達成できる。だが、売り上げを優先すると、利益が犠牲になる」
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