中国政府が掲げる製造業強化に向けた長期戦略「中国製造2025」は、米国では戦略的な脅威として認識されているが、日本にとってはビジネスチャンスの側面が大きい。
  中国の産業界の変革を目指す試みは、資本財への巨額投資を伴う。工場の自動化システムや半導体製造装置といった分野は日本が優れており、日本からの資本財・部品の対中輸出は大きく伸びている。グローバル・サプライチェーン(部品の調達・供給網)を通じた付加価値貿易の観点からは、日本との距離はまだある。
だだ長期的に見れば、中国が強力な競争相手となる可能性もあり、日本が墓穴を掘るリスクに留意することが必要だろう。


足元では、中国製造2025が掲げる重点分野での大幅な需要増加が際立っている。日本の中国への半導体製造装置輸出額は、12年時点では半導体等電子部品の5分の1にすぎなかったが、18年1-5月の実績では、ほぼ同水準となっている。また、製造工程の自動化への需要も急増している。例えば、工場の自動化システム・ロボットに強みを持つファナックの17年度の中国向け売上高は16年度対比でほぼ倍増した。
Move to full article