continental 1132127JOLEDは、2020年度をめどに車載向け印刷式有機ELディスプレーの生産ラインを構築する。
新開発の有機EL材料などを採用し、車載に耐えうる信頼性を確保する。すでに自動車メーカーをはじめ複数の顧客との交渉を始めた。車向けで印刷式有機ELが採用されれば世界初。薄型、軽量で柔軟なデザインを強みに早期の出荷を目指す。

JOLEDは気化した有機EL材料を塗布する真空環境や、塗り分けるための型などが不要なインクジェット印刷式有機ELパネルを手がける。17年に印刷式有機ELパネルを世界で初めて製品化し、医療用モニターやプロ用パソコンモニター向けに出荷した。20年には能美事業所(石川県能美市)で量産に入る計画。現在、顧客開拓を進めている。



自動運転車や電気自動車(EV)などの次世代自動車は操作パネルが増えるなど車室内のデザインが変わり、曲面や異形状を実現する有機ELパネルのニーズは高い。一方、有機ELパネルを車載用途に使うには材料の劣化など品質面の信頼性が課題とされてきた。

JOLEDは有機EL材料を改良し、パネル寿命や電力効率などを向上させる。 同社は印刷式有機ELパネルの実用化を目指し、パナソニックとソニーの有機EL事業を統合し15年に設立。これまでは事業化に向けた研究開発がメーンで、業績は赤字が続く。車載向けの供給で早期黒字化を目指す。