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Appleはなぜ、多大なコストが掛かるにもかかわらず大規模な半導体設計を自社で行おうとしているのだろうか。そして、既に市場での実績を築いている半導体企業と同等以上の性能を備えたICを設計できるのだろうか――。半導体を自社設計することは、どう考えてもリスクが大き過ぎる。
故Steve Jobs氏は2010年1月27日に開催したイベントで登壇し、タブレット端末の「iPad」とAppleが設計したSoC(System on Chip)「A4」を発表した。筆者はその基調講演の1週間前に自身のブログに投稿した記事で、iPadとA4の発表が近いだろうと予想し、iPadにはiPhoneと「MacBook」の間くらいの性能を持ったプロセッサが必要だと指摘した。


2017年の「A11」に話を進めよう。下の写真は、そのSoCのダイである。A11は、Appleにとって初となる自社開発GPUと「Neural Engine」を搭載しており、いずれも設計の重要な一部を担っている。Appleは、「iPhone X」のプレスリリースの中で、マシンラーニング機能でも、この2つを採用していることを明らかにした。
特に、顔認識機能「FaceID」とAnimoji(アニ文字)は、Neural Engineによって動作可能になるという。

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