yamagata univ index山形大学工学部は12日、同大学術研究院の硯里(すずり)善幸准教授(46)と佐合(さごう)益幸技術専門職員(45)が高速道路のネクスコ・エンジニアリング東北と共同で、超薄型・軽量の有機EL表示器を開発したと発表した。

硯里准教授によると、一般的な発光ダイオード(LED)表示器と比べ、薄さで7分の1、重さで8分の1までコンパクト化できたという。



 駅などに設置された表示文字が「流れる」電光掲示板はLEDが主流。硯里准教授らは有機ELを使った次世代型表示板の可能性を探っていた。試行錯誤の末、照明メーカーが開発した1.5センチ四方の有機ELパネルを縦横8枚ずつ計64枚敷き詰めて、一枚一枚の点滅が組み合わさって文字を表現する。「敷き詰めるパネルの数は『文字として読める』ことを重視した」と語る。

 特徴はその薄さで、厚さは0.8ミリに抑えた。「一般的に普及している小型のLEDでも厚さ1ミリの壁は突破できないと思う」という。重さも1平方メートル当たり1.1キロと軽量。硯里准教授が調査した範囲では、最も小さいLEDだと同じく1平方メートル当たり8.4キロで、8分の1の軽さとなる。壁に張ることも可能となる。

 有機ELは一定程度、曲げた状態でも使え、佐合技術専門職員は「LEDなどより、柔軟な使い方ができる点も特徴だ」と語る。実用化に向け、2018年度内に開通予定の東北中央自動車道で、道路表示板としての実証試験を検討している。