有機EL装置は、有機薄膜を2枚の電極ではさみ、両電極間に電界をかけることで有機材料が発光する有機EL素子を利用した装置であり、ディスプレイや照明等への幅広い応用が期待される。有機EL装置の世界市場規模は増加傾向にあり有望な市場であるが、ディスプレイの市場シェアにおいては韓国が優勢である。


また、有機EL装置の出願動向では、2012年以降、中国・韓国による出願件数が増加しており、日本からの出願を上回っている。日本勢は、発光部材料では次世代材料のTADFで、用途では有機EL照明で、成膜方法では小型装置で安価に製造できる湿式法で、韓国勢・中国勢と比べ強みを有し、これらの強みを活かした技術開発が重要である。
有機EL素子は、有機薄膜の両側に陽極と陰極を形成し、両電極間に電界をかけてキャリアを注入することで発光する積層構造の素子です。基本的な有機EL素子の断面の模式図と発光機構を図1に示します。
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