レーザー加工機メーカー、片岡製作所(京都市南区)は、液晶の生産工程で生じる不具合を人工知能(AI)を駆使して修復する装置を開発、平成31年に市場投入することを明らかにした。32(2020)年の株式上場を目指しており、新製品投入で弾みを付ける。片岡宏二社長に新製品への思いや今後の目標などを聞いた。

 --装置開発のきっかけは

 「iPS細胞(人工多能性幹細胞)の培養時に不要な細胞を除去する装置を作っており、その応用だ。液晶は、生産工程でのごみ混入などにより一部の画素が消灯できない不具合が発生する。これまでは人の目で診断していたが、新製品は液晶の状態をAIで読み取り短時間でレーザーで修復する」



 --今後の業績目標は

 「33年1月期に売上高180億円(30年1月期は110億円)を目指す。売上高の2割を占めるレーザー加工機は、液晶修復装置などで59億円に伸ばす。7割を占めるリチウムイオン電池の検査装置は、電気自動車(EV)の普及に備え来年1月の新工場建設で生産能力を倍増させる」

 --研究開発に注力している

 「新商品を開発する時『この分野で世界一になれるか』を聞く。グローバルで勝てる商品を持ってなくてはいけない」

 --研究者確保が課題だ

 「今の本社近くに研究開発施設も併設した新本社を建てる。研究者が働きやすい環境をつくりたい。若手研究者の多くは奨学金の返済を抱えているが、当社は一部を負担し応援する」