米通信大手AT&Tは2018年12月18日、次世代通信規格「5G」の商用サービスを同年12月21日に開始すると発表した。競合の米ベライゾンが10月1日に5Gのサービスを運用開始しているが、そちらは宅内での利用に限定したもの。今回のAT&Tのサービスは本来のモバイル用途で利用できる。また、携帯電話の標準化団体「3GPP」の仕様に準拠した5Gネットワークとして、「米国初で唯一」という。

同社は18年内に5Gサービスを開始するとの事業計画を発表済みで、今回は公約を守ったことになる。まずは全米12都市での商用サービスを実現。19年前半には、新たに7都市への展開を予定しているという。



今回のサービスは、ミリ波(数十から数百ギガヘルツの電波)帯を使ったネットワーク「5G+」で提供する。米ネットギアの5Gモバイルルーター「ナイトホーク」を使ってアクセスする。現在、5G+は一部の都市でのみ提供されるが、ナイトホークは5G+サービス圏外に出てしまっても、現在385カ所で展開されている4×4 MIMOや256 QAMなどを駆使した高速LTEネットワーク「5Gエボリューション」やその他AT&Tのネットワーク上で利用できるようになっている。

今回はまず、一部の企業とユーザーに90日間限定で無償貸し出しを実施。19年春からナイトホーク本体を499米ドルで、15ギガバイト(GB)のデータ通信を月70米ドルで提供するという。

なお、このネットワーク上で動作する5G対応のスマートフォン(スマホ)としては、第1弾が19年前半に韓国サムスン電子から発売予定となっており、19年後半には、同じくサムスンから第2弾として、ミリ波と6ギガヘルツ未満の周波数帯両方に対応可能な5Gスマホが発売される見込みとなっている。