サムスンディスプレイは次世代の65インチ「量子ドット: 有機発光ダイオード(QD-OLED)」ディスプレイの開発に成功したことに続き、4月には投資審議委員会を開いて本格的な投資計画を立てることが分かった。

サムスンディスプレイはスマートフォン用をはじめとする中小型OLEDパネルでは世界1位だが、テレビ用大型パネルは液晶表示装置(LCD)が中心だ。 LCDは中国の追撃が激しくなって収益性が低下し、「QD-OLED」を新しい成長動力として物色ているように思われる。サムスンディスプレイが大型OLEDパネルを量産すると、サムスン電子も2021~2022年にはQD-OLED TVを出すという見通しが出ている。



18日、サムスンの関係者によるとサムスンディスプレイは4月に投資審議委員会を開き、QD-OLEDディスプレイへの投資の可否と規模を決定する方針だ。昨年末、サムスンディスプレイはこれまでのOLED・LCD事業部を、中小型・大型(パネル)事業部に改編した。事業部の名称からLCDを抜いて中小型・大型などサイズのみで区分することによって、長期的にOLED事業に力を入れるだろうという分析が多かった。このことから、4月に行われる投資審議委員会でOLEDへの投資を決定するとの見通しが優勢だ。

4月の投資審議委員会で投資決定が行われれば、現在のLCDを量産している忠清南道・牙山のL8-1ラインがOLED生産設備に転換されるものと思われる。サムスンディスプレイは2016年、社内に大型OLEDパネルの開発チームを新設して」研究に拍車をかけており、現在のL8-1ラインをパイロットテストラインとして活用している。特に今月、米国ラスベガスで開催された世界最大の情報通信技術(ICT)の博覧会「CES 2019」で、サムスンディスプレイは業界関係者を招待し、65インチQD-OLEDの試作品を公開したことが分かった。製品開発に対する自信を見せたものだ。

投資が順調に進めば、サムスンディスプレイは今年に装置の搬入を開始し、ラインの構築・稼動の手順に入ると思われる。それ以後は収率テストなどを通じて量産を準備し、生産量増大の作業であるランプアップなどを通じて2020年の後半や2021年の初めに本格敵に量産に突入するとみられる。

業界ではサムスンディスプレイが初期には毎月30万枚の規模でQD-OLEDを量産するとにらんでいる。これにより2021~2022年には、サムスン電子からQD-OLEDを搭載したテレビが発売できるという見通しが出ている。サムスン電子は昨年の第3四半期のカンファレンスコールで、「次世代テレビ技術としてさまざまな技術を検討している」とし、「QD-OLEDも候補の一つとして開発している」と述べた。

ハイ投資証券のチョン・ウォンソク アナリストは、「サムスンディスプレイのQD-OLEDに対する設備投資の時期は、2019年の第2・第3四半期、量産ラインを最初に稼動する時期は2020年の後半になると予想している」とし、「スマートフォンメーカーがフォルダブルフォンの製品開発を加速しつつ、フレキシブルOLEDへの設備投資も拡大するものと期待される」と予想した。

サムスンディスプレイが本格的にQD-OLEDパネルの量産に突入すると、プレミアムパネル市場で8K QD-OLEDと色再現性を高めたQLED製品の「ツートラック」で、市場主導権を拡大する戦略を展開するものと思われる。サムスンディスプレイが大型OLED市場に進出する準備をしているのは、大型LCDディスプレイ市場が飽和状態に達したうえ、中小型OLEDは中国政府の支援で急速に追い上げているからだ。

Source: サムスンディスプレイ、「QD-OLED」の開発に成功