差し押さえ・不動産執行の現場においても「流行」みたいなものはある。    過去には太陽熱温水器、違法3階増築、オール電化住宅といったムーブメントがあったが、昨今の大きな流れを構築していたものはと言えば、やはり「太陽光発電」となるだろう。
 最も加熱していた頃には、まず物件は屋根からの確認作業が行われ、ソーラーパネルのメーカーや枚数、売電による資産価値などが徹底的に調査された。
この頃は太陽光発電システム販売業者も契約者の破綻や競売ということはあまり想定していなかったのか、ソーラーパネルを回収する際、イヤガラセのように屋根に空いたソーラーパネル取り付け穴を塞いでいかないという事例も少なくなかった。


そんな太陽光発電ブームも売電価格の下落とともに下火になり、今や残債のある太陽光発電システムであろうがソーラーパネルを回収していく業者は皆無に等しい。  背景には低価格な中国製ソーラーパネルの高品位化があり、回収費の方が高くついてしまうことすらあるためだ。
このような流れで今回紹介する物件は、太陽光発電システム販売業者の事業所。  工業地帯ながらも国道沿いに設けられた平屋建ての広い事業所で、屋根にはトンデモナイ面積のソーラーパネルが敷き詰められている。  売電だけでも相当な利益が出ているのではと考えられたが、燦々と降り注ぐ太陽光をよそに売電メーターは全く回っていなかった。
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