シャープは5日、高精細「8K」映像に対応した監視カメラを開発したと発表した。8K映像の画素数は現在主流のフルハイビジョンのカメラに比べて16倍にのぼり、細かい文字や数字を確認できる。人手不足が深刻な工場向けなどに提案する。早ければ年内にも受注生産に対応し、世界初の商用化を目指す。

東京ビッグサイト(東京・江東)で同日開幕した「SECURITY SHOW」で8K対応監視カメラの試作機などを公開した。8K映像の画素数は約3300万画素とフルハイビジョンの16倍にのぼり、解像度は肉眼を上回る。シャープは顧客の要望に応じて8K監視カメラを含めたシステムを提供する。



同社が想定する用途の1つは工場での利用だ。工場では作業員のミスや機器の故障によるトラブルが起きた際、監視カメラの映像から原因を特定して検証する。8Kカメラ1台が映せる範囲はフルハイビジョンのカメラ16台分に相当。従業員や自動搬送ロボットの動線など工場内のあらゆる状況を途切れなく確認できるようになる。

シャープは監視カメラ事業では11年に参入した後発組のため、足元の国内シェアは1%にも満たない。ただ成長性の高い分野とみており、18年9月下旬に業務用カメラ13機種を投入して本格参入した。今後は8K技術など独自性ある製品戦略でシェア拡大をはかる。