8K放送をホームシアターで受信したら、どれほどのクォリティで楽しめるのか? オーディオビジュアルファンなら誰もが気になっている疑問を、麻倉怜士さんに解消してもらおう! そんな思いで酒井俊之さんと編集部は、麻倉さんのシアタールームにお邪魔した。しかし、放送開始以来、毎日8Kをチェックしているという麻倉邸の8Kライブラリーの魅力は、ふたりの予想を超えて素晴らしかったのです。

——ところで酒井さんが今日一番驚いた8K番組はどれでしたか?

酒井 ドラマの『コーラス』です。あの演出には驚きました。まさに8Kならでは、です。アパートの6部屋を横から見たセットが組まれていて、同時進行的にストーリーが進行していく。これはもうそもそもの企画が優れていますね。



 同じコンセプトで地デジや2Kで作ろうと思うと、ひと部屋ひと部屋でカットを割って寄りの映像にする必要がある。しかし8Kならワンカットで見ても、それぞれで何が行なわれているかがちゃんと認識できる。視聴者側は気になるところを好きなように観ることができるわけで、右端の部屋を観る人も居れば、左端を観る人もいる。勝手に選べるわけでしょう?それが面白い。

 NHKでは8Kを活かした番組作りを模索しているのでしょうが、そういう意味ではこの番組などはとても挑戦的だと感じました。同じ事を2Kでやっても意味がない。8Kならではの企画意図を感じましたし、それがしっかり実現されている点が凄いと思いました。

麻倉 8Kはミクロ×マクロという側面を持っています。2Kではミクロかマクロのどちらかしか表現できないけれど、8Kならそれを両立できる。とても細密で、でもそのひとつひとつが動いている。確かに8Kらしい提案です。

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