液晶パネル事業の不振が続く韓国のLGディスプレー(LGD) はこのほど、大規模なリストラを実施すると発表した。 全従業員の20%に相当する5千人を削滅するほか、一部のLCD生産ラインを閉鎖する方針だ。
LCDパネル市場は 中国企業の台頭により競争が激化。供給過剰に陥り価格が大幅下落し、業界大手のLGDも収益の低迷が続いていた。
今回のリストラではLCD 事業を中心に早期退職を募る。
また主に50インチ以下の液晶テレビ用パネルを生 産する第7および第8 世代ラインの稼働を停止する。 これによりLGDはLCD事業を縮小し、より収益率の高い有機ELバネル事業に軸足を移したい考えだ。



同社は有機ELテレビ用大型パネルでは圧倒的シェアを握ってお り、今後のさらなる市場拡大を見込んで、かねて有機EL事業を強 化する意向を示していた。
しかし有機ELテレビは価格が高く需要は限定的だ。 また歩留も低い。
この課題を克服するため、LGDは規模の経済性にか け、スマホから大型テレビまで幅広い製品向けに有機ELの生産を拡大する。
18 年には2793億ウォン(約254億円)の営業黒字を確保したものの、19年に入って同社の営業損益は第1四半期が1320億ウォンの赤字、第2四半期は3607億ウォンの赤字に陥った。