経営危機から立ち直ったシャープが、超高精細映像技術「8K」を軸に再成長を目指している。テレビ向けの液晶パネルの販売にとどまらず、下水道といったインフラ保守や医療、教育などの分野で技術を応用し、市場の開拓を試みている。
東京都港区のビルの一室にある「8Kラボ クリエイティブスタジオ」。ビデオカメラやディスプレーなど約20種類の8K関連の機材が並び、実際に機材に触れながら撮影や映像編集を体験することができる。シャープが今年6月に法人顧客を対象に開設した完全予約制の商談スペースだ。
画素数が従来のフルハイビジョンの16倍という特徴から、8Kには幅広い分野のニーズがある。商談には技術者が立ち会い、顧客ごとの要望に応じて製品やサービスを検討。当初は年間200社の来場を目標に掲げていたが、開設から3カ月足らずで70社を超え、すでに10件以上の製品の納入が決まった。
例えば美術館向けには、スマートフォンのように指で画面を拡大したり縮小したりすることで絵画の作者の筆づかいを確認できるモニターを製作。ほかにも内視鏡手術の様子を鮮明に映し出すモニターや、下水道管の細かな亀裂を自動で検知するシステムの開発を始めている。Read full article
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