
年末商戦を占う家電の国際見本市「IFA」が今年もドイツ・メッセベルリンで開かれた。例年であれば映像分野のトピックはOLED、加えて昨年登場した8Kがどう成長したか、と思うところだが、「今年の見どころは何と液晶だ」とは麻倉怜士氏の談。もはや枯れた技術? いやいや、8K時代にも液晶はまだまだ進化する。その発想と底力、とくと語っていただこう。
JOLEDが23型の4K OLEDを造っており、こちらはASUSのPC用モニターで製品化されています。ここの様に印刷方式でサイズアップを目指すという道と、LGディスプレイの蒸着方式で8Kを切り分ける、という2つの道が、中型4K OLEDにおいてはこれから出てくるかと私は見立てています。
ブースで話を聞くと「いやいや、今年は8K液晶なんですよ!」と。120型を筆頭に、88型や75型などをズラリ。良くも悪くも、こういうしたたかさが中国っぽいと言えます。OLEDは昨年からさほど進展が見られないのに対して、8K液晶はシャープの120型を筆頭に、サムスンが55型の(比較的)小型な8Kを見せるといった動きが見られた訳です。そういった事情も絡んで、一概にどちらかのデバイスに傾倒しすぎる訳にもいかないのでしょう。

液晶の話題で言うと、最もアグレッシブだったのはパナソニックでしょう。こちらもOLED陣営の一員ですが、今回は「逆襲の液晶」とも言うべき展開です。何かと言うと、ハリウッドへ向けて売り出す55型「MegaCon」マスターモニターを発表したんです。大きな特徴は“液晶二枚重ね”。
そこで引っ張り出したのが、2005年にシャープが出した液晶2枚重ねという発想です。当時は1,000対1のパネルを2枚重ね、1,000×1,000で100万対1のコントラストをひねり出していました。ただしこの時はタイミングがよろしくなかった。2005年はLEDバックライトによるローカルディミング技術が出てきて、業界的にはこちらの方が隆盛していきます。Read full article: “二枚重ね”で液晶が再びアツい! 8K、透明OLED、IFAから今後のトレンドを占う
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