ディスプレー業界で初めてサムスン電子が「自発光QLED」の商用化の可能性を立証した最新研究の結果を権威ある学術誌に掲載した。

QLEDは量子ドット発光ダイオード(Quantum dot LED)の略語。自ら光を出す素子で2-10ナノメートルの半導体結晶の量子ドットを使う技術。研究の成果はサムスンディスプレイが最近明らかにした13兆ウォン(約1兆2000億円)規模の「QDディスプレー」プロジェクトにも必要だ。サムスンは有機物質で光を出すOLED大型パネルを1次生産し、その後は無機物質の量子ドットを素子として活用した無機ELディスプレーの量産を目標としている。

27日(現地時間)、英国学術誌『ネイチャー』はQLED素子の発光効率と使用時間向上を骨子としたサムスン電子総合技術院所属チャン・ウンジュ・フェローとウォン・ユホ研究員の研究結果を掲載した。





研究結果のように量子ドット素材の構造を改善するのに成功する場合、QLED素子の発光効率21.4%を達成するだけでなく、素子駆動時間も業界最高水準の100万時間(輝度100ニット半減寿命基準)まで実現可能だ。

QLEDは電流を流せば無機物質の半導体結晶、量子ドットが自ら光を出す方式(無機EL、無機Electron Luminescence)だ。自発光素材として有機物質を使用するOLED(有機発光ダイオード)と異なる。有機物質を使わないためにOLEDの胎生的弱点の「バーンイン」(残像)問題から相対的に自由だ。

現在、サムスン電子はバックライトが必要な液晶(LCD)パネルに量子ドットシートをかぶせてQLEDテレビを生産している。光を受けてこそ発光する方式(PL)をサムスンがQLEDと呼ぶ理由は、無機EL方式のQLEDをテレビとして量産するには量子ドットの発光効率、素子寿命問題などを克服しなければいけない難題があるからだ。

今回の研究結果を通じてQLED商用化に伴う難題を克服する可能性を十分に発見したというのが、サムスン電子内部の評価だ。チャン・ウンジュ氏は「サムスンの独自の核心素材技術で次世代ディスプレー商用化の可能性を見せた」とし「今後新しい構造の量子ドットを活用した環境にやさしいディスプレーの開発範囲が拡大することを期待する」と述べた。

ウォン・ユホ氏は「今回の研究は量子ドット素材が作られるメカニズムを理解し、シェル(発光効率と安全性を高める役割を担う層)の厚さに関係なく高効率の量子ドットを作る方法を開発したということに意味がある」と説明した。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ