2019-12-05 ジャパンディスプレイの経営危機
経営危機に陥っている日の丸液晶メーカー・ジャパンディスプレイ(JDI)が、抜き差しならない状況に追い込まれている。2000億円の血税を投入したにもかかわらず、5期連続の赤字で債務超過に陥っているだけでも大問題だが、従業員による5.7億円の横領と粉飾決算疑惑まで出てくる始末だ。
安易に税金を投入するとモラルハザードが発生するというのは、古今東西を問わない普遍的な法則であり、JDIはまさにその教科書といってよい。
JDIの経営が機能していないという兆候は上場直後にすでに現れていた。先ほども説明したように、同社は2014年3月に鳴り物入りでIPO(新規株式公開)したが、初値は公募価格を15%も下回る769円にとどまり、翌月にはいきなり業績を下方修正している。10月にも業績を下方修正し、株価下落がとまらなくなった






上場直後に2度も業績を下方修正したわけだが、これは、20代の若者が起業して急成長したベンチャー企業の話ではない。JDIは日本を代表するメーカーの液晶部門を統合し、政府が全面支援した国策企業である。
しかも同社は売上の4割をアップル1社に依存するという特殊な事業構造である。特定の外国企業1社に依存していることは、極めて大きなリスク要因だが、逆に言えば、アップルによる発注予定さえしっかり押さえていれば業績の予想はたやすいということでもある。
アップルのような企業が主要顧客であるにもかかわらず、同じ年度に2回も業績を大幅下方修正するというのは、内部管理が杜撰か、過剰な業績目標をかかげていたのかのどちらかである。おそらくはその両方だと思われるが、一般論として、こうした組織は不正の温床となりやすい。カンのよい市場関係者であれば、上場した当初からJDIの経営に対しては相当な警戒感を持っていたはずだ。
危険な兆候はほかにもあった。同社は石川県に1700億円を投じてアップル向けの工場を建設しているが、何と、この工場の建設資金の多くはアップルが負担していた。
ビジネスの世界において、製品を販売している顧客に資金の面倒をみてもらうというのは御法度である。
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