中国スマートフォン大手の小米科技(シャオミ)が、今月16日に日本市場に参入すると発表した。中国主要メーカーでは昨年参入したOPPO(オッポ)以来。来春にサービスが始まる次世代の高速移動通信方式「5G」を見据え、中国勢の参入が相次ぐ。

 シャオミは世界4位のスマホメーカー。日本で発売するのは1億画素のカメラを搭載した新型スマホ。税込み5万円台からという低価格が売りだ。2020年参入予定だったが、前倒しした。同社幹部は9日、都内で開いた記者会見で参入理由について「来年から5Gへの切り替えが始まる」ことを挙げた。





 日本では中国メーカーが存在感を高めつつある。MM総研によると、SIMフリースマホの出荷台数で、昨年度は華為技術(ファーウェイ)がシェア33%で首位。世界5位のオッポは3・7%にとどまるが、急速にシェアを伸ばしている。関係者によると、日本の携帯電話各社は来春に向けて、価格競争力に優れる中国製の5Gスマホの調達を積極的に検討している。

 10月には携帯料金のルールが変わり、値引き上限が2万円に規制された。高価格なスマホを大幅に値引きして買い替えを促すかつての手法は使えず、定価で値頃感のある機種の需要が高まっている。

シャオミはあらゆるものがインターネットにつながる「IoT」商品にも力を入れており、この日はスマホで遠隔操作できる炊飯器を日本で発売すると発表。日本製が世界的に強い分野にあえて挑戦する。

 同社が中国などで展開する実店舗「小米之家」では、スマートテレビや冷蔵庫などの家電のほか、AIスピーカーなどをそろえる。スマート家電の「無印良品」をめざし、シンプルなデザインで統一している。担当者は「製品の外観の一致性を大事にしている。同じ色にしていればセットとして買いたくなる」と話す。