新菱冷熱工業(東京都新宿区)は、電解水を利用する新型の工場向けエアワッシャーシステムを開発した。クリーンルーム用外調機に搭載する装置で、空気中の汚染物質を水で除去する。特に硫酸イオンなど酸性ガスの除去に高い効果を発揮。国内外で半導体工場や液晶工場向けに提案する。同システムや関連施設を含め今後3年間で100億円の売り上げを目指す。

新菱冷熱工業が開発したシステムは、汚染物質を除去するための吸収液に電解水を用い、プリーツ型気液接触材で空気と電解水の接触効率を向上させる。さらに外気中の酸性ガス濃度の変動を検知し、最適な電解水量を供給する制御機構も搭載。汚染物質除去率は、硫酸イオンが99%、アンモニアイオンは96%、酢酸が92%などとなっている。





さらに従来、酸性ガスを除去するため外調機に設置していたケミカルフィルターを不要とした。これにより従来型と比べ、外調機全体の消費エネルギー量を約24%、二酸化炭素(CO2)排出量を15%、維持費を約30%それぞれ削減する。また、活性炭の交換・破棄がいらなくなり、産業廃棄物をゼロにする。省エネルギー対策にも寄与する。

半導体や液晶など精密製品の製造環境は、空気中に含まれる粒子状汚染物質だけでなくガス成分が製品の歩留まりに影響する。そのため高レベルの清浄環境、温湿度管理のクリーンルームが求められるという。そこで同社では新たなエアワッシャーシステムを開発した。「明確なメリットを訴求できるシステムで新規顧客開拓につなげたい」(佐原恭彦中央研究所長)とする。

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