電子機器受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)は17日、ベトナム子会社設立を董事会で決定した。投資額は1億5,000万米ドル。マイクロソフト(MS)の「Surface(サーフェス)」シリーズのノートパソコンを組み立てるようだ。受託生産業界では、新型コロナウイルス感染拡大により、東南アジアなどでの生産を顧客に求められ、中国以外への移転が続きそうだ。18日付工商時報などが報じた。

ベトナム子会社設立についてペガトロンは、中長期的な投資計画で、賃貸工場よりも、工場棟の購入・新設の方がニーズに合致していると指摘した。廖賜政執行長が先月、今年の設備投資は昨年の2億~2億5,000万米ドルを上回るものの2017年の4億~4億5,000万米ドルには至らないと説明していたことから、今年の設備投資計画の3分の1以上を占めるようだ。





 ベトナム投資決定の背景にはMSの強い要望があったようだ。業界関係者によると、米国の中国製品への追加関税を回避するため、大口顧客のMSやソニーなどから昨年、ベトナムでの生産拠点設置を要望された。ペガトロンは当初それほど積極的ではなく、第4四半期に「検討中」と初めて明言したところだった。ただ、今年1月以降、中国で新型コロナウイルス感染が拡大し、MS製品を主に生産していた江蘇省の蘇州工場で稼働率が思うように回復せず、決断を迫られたようだ。

 台湾の受託メーカーやそのサプライチェーンは、江蘇省を含む華東地区、華南地区に集中している。大部分は、春節(旧正月、2020年は1月25日)連休明けの従業員の職場復帰率が30%にすぎないとされる。

 台湾系メーカーが多い重慶市では、工場の稼働再開がさらに遅れている。

ペガトロン以外では、鴻海精密工業が過去2年ベトナムを強化しており、60億台湾元(約220億円)近く追加投資した。仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は昨年ベトナム子会社の11億2,800万元の増資を行った。緯創資通(ウィストロン)は昨年末にベトナム子会社を設立した。

 鴻海、ペガトロン、ウィストロンはアップルのスマートフォンiPhoneのサプライヤーだ。

※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ