2019年10~12月期のFPD(Flat Panel Display)露光装置の出荷台数は、キヤノン、ニコンの主要2社で16台となり、2期連続で20台を下回った。これにより19年通年の出荷台数は両社合計で90台となり、18年の6割の水準(18年は142台)にとどまり、2年連続で前年実績を下回った。FPDメーカーの設備投資がスローダウンしたことが影響した。
FPD露光装置は、液晶ディスプレーや有機ELディスプレーの画素を駆動する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor=TFT)をガラス基板上に形成するのに使用される。TFTの回路パターンが書かれている原版であるフォトマスクに光を照射し、レンズを介してパターンをガラス基板上に露光する。
FPD露光装置は、液晶ディスプレーや有機ELディスプレーの画素を駆動する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor=TFT)をガラス基板上に形成するのに使用される。TFTの回路パターンが書かれている原版であるフォトマスクに光を照射し、レンズを介してパターンをガラス基板上に露光する。
ガラス基板の大きさには、製造するディスプレーのサイズによって違いがあり、その大きさを「世代(Generation=略してG)」と呼ぶ。例えば、スマートフォン用の5インチや6インチを製造する場合は第6世代(6G=サイズは1500×1850mm)のガラス基板、テレビ用の65インチなどを製造する場合は10.5世代(10.5G=サイズは2940×3370mm)のガラス基板がそれぞれ使用される。FPD露光装置は、それぞれのガラス基板の世代に応じたサイズの装置が必要になる。
また、FPD露光装置には非常に高度な光学技術が必要とされるため、現在のところキヤノンとニコンの日本メーカーが市場を独占し、他の追随を許していない。ちなみに、キヤノンはテレビ用ディスプレーを製造する大型パネル用露光装置、ニコンはスマートフォン用ディスプレー向けの中小型パネル用露光装置に強いと言われてきたが、近年はキヤノンが中小型用に新機種を投入してシェアを伸ばす一方、ニコンが10.5G用を独占的に供給するなど、両社はFPD技術の進化に応じて激しくシェアを争ってきた。
19年10~12月期にキヤノンは前年同期比7台減の10台を出荷した。これにより19年通年の出荷台数は50台となり、18年の69台から減少した。スマートフォンの販売伸び悩みで、中小型パネル向けの投資抑制が続いたことが影響した。
20年の通年出荷台数は54台を見込んでいる。スマートフォン用パネルへの投資が徐々に再開されることで中小型が伸び、大型パネルでもテレビ向け高精細パネルへの高い需要が継続すると想定している。独自の一括露光システムを活かし、シェア向上を図る。
また、子会社のキヤノントッキが世界トップシェアを有している有機ELディスプレー用蒸着装置について、19年は前年比で減収になったが、20年は顧客の投資回復で増収へ転換する見込み。次世代通信規格「5G」の普及拡大で、スマートフォンの下位機種まで有機ELの搭載が広がるとみている。また、有機ELの採用がテレビへ拡がることも踏まえて、大型有機ELパネル向け装置の開発も進めていく。
ニコンは、19年10~12月期に前年同期比12台減の6台を出荷した。内訳は、10.5G用が5台、7G/8G用が1台。FPDメーカーの6G、8.5G向け設備投資が一巡した影響を受けて出荷が低迷した。これにより、19年度(20年3月期)の4~12月までの9カ月累計出荷台数は24台(前年同期実績は54台)、通年の出荷台数は18年の73台から19年は40台に減少した。
19年度通期(20年3月期)ではトータル32台の出荷を見込んでいる。内訳は5G/6G用が5台、7G/8G用が5台、10.5G用が22台で、従来予測を据え置いた。これにより20年1~3月期は8台(5G/6G用2台、10.5G用6台)の販売を見込んでいることになる。
また、FPD露光装置には非常に高度な光学技術が必要とされるため、現在のところキヤノンとニコンの日本メーカーが市場を独占し、他の追随を許していない。ちなみに、キヤノンはテレビ用ディスプレーを製造する大型パネル用露光装置、ニコンはスマートフォン用ディスプレー向けの中小型パネル用露光装置に強いと言われてきたが、近年はキヤノンが中小型用に新機種を投入してシェアを伸ばす一方、ニコンが10.5G用を独占的に供給するなど、両社はFPD技術の進化に応じて激しくシェアを争ってきた。
19年10~12月期にキヤノンは前年同期比7台減の10台を出荷した。これにより19年通年の出荷台数は50台となり、18年の69台から減少した。スマートフォンの販売伸び悩みで、中小型パネル向けの投資抑制が続いたことが影響した。
20年の通年出荷台数は54台を見込んでいる。スマートフォン用パネルへの投資が徐々に再開されることで中小型が伸び、大型パネルでもテレビ向け高精細パネルへの高い需要が継続すると想定している。独自の一括露光システムを活かし、シェア向上を図る。
また、子会社のキヤノントッキが世界トップシェアを有している有機ELディスプレー用蒸着装置について、19年は前年比で減収になったが、20年は顧客の投資回復で増収へ転換する見込み。次世代通信規格「5G」の普及拡大で、スマートフォンの下位機種まで有機ELの搭載が広がるとみている。また、有機ELの採用がテレビへ拡がることも踏まえて、大型有機ELパネル向け装置の開発も進めていく。
ニコンは、19年10~12月期に前年同期比12台減の6台を出荷した。内訳は、10.5G用が5台、7G/8G用が1台。FPDメーカーの6G、8.5G向け設備投資が一巡した影響を受けて出荷が低迷した。これにより、19年度(20年3月期)の4~12月までの9カ月累計出荷台数は24台(前年同期実績は54台)、通年の出荷台数は18年の73台から19年は40台に減少した。
19年度通期(20年3月期)ではトータル32台の出荷を見込んでいる。内訳は5G/6G用が5台、7G/8G用が5台、10.5G用が22台で、従来予測を据え置いた。これにより20年1~3月期は8台(5G/6G用2台、10.5G用6台)の販売を見込んでいることになる。
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