continental 3D 001_lコンチネンタルは3月16日、新開発の「裸眼3Dディスプレイ」を量産し、ヒュンダイの新型「ジェネシスGV80」に搭載すると発表した。

 このシステムを可能としたのがコンチネンタルのハイパーフォーマンスコンピューター「クロス・ドメインハブ」で、これによりあらゆる車載ユニットを統合。軽量化とコストダウンを同時に達成でき、今後の車載E/Eアーキテクチャー(コンピューターやセンサーなどを連携させクルマを構成する大きなシステム構造)の要の技術になるという。

新開発の裸眼3Dディスプレイでは、画面上に3次元立体スケール、車両位置ポインター、および周辺の構造物を表示するだけでなく「パララックス・バリア(視差バリア/ドライバーの視野を分割する傾斜スラット)」により、わずかにオフセットした2つの異なる画像を左右の眼球がとらえることにより、特殊な3Dメガネを使わずにドライバーの視線に一時停止の警告を表示することを可能としている。





 この3D効果を得るために、コンチネンタルのインテリアカメラは、ドライバーの頭部や視線を的確に検出し、3次元で見えるための正確な視角位置への調整を行なう。同時に走行中の安全性確保のため、ドライバーが裸眼3Dスクリーンを長時間注視した場合や疲労した場合も検出して警告する。

このダッシュボード上の計器クラスターを裸眼3Dで視覚化する最大のメリットは、ドライバーが先端運転補助システム、従来型ディスプレイ、通信サービス、インフォテインメントアプリケーションから提供される過剰な情報量を制御できることにあるという。

 コンチネンタルHMIインターフェイスビジネス責任者のヘフランク・ラーベ博士は、「裸眼3Dテクノロジーを採用したディスプレイが量産されることにより、人間と機械のインターフェイスをまったく新しいレベルに引き上げ、近未来の“コネクテッド・コクピット”での直感的なHMIの基盤を築いています。さらに、この安全性と快適性の向上が車載電子機器のリーンアーキテクチャに犠牲を強いることがないようにするために、センターコンソールまたはダッシュボードのさまざまなディスプレイを“クロス・ドメインハブ”に統合しました」と述べている。

 またコンチネンタルは、同時にシリコンバレーに本拠を置く企業 レイアと共に「3Dナチュラルフィールドテクノロジー」を開発、新しいヒューマン・マシン・インターフェイスのマイルストーンを築くと宣言している。

今後車載システムはどんどん簡易化され、軽量化と省スペース化のために、車載入出力デバイスに必要な制御ユニットの数は少なくなるという。「クロス・ドメインハブ」はコンチネンタルのハイパフォーマンス・コンピューターであるとともに、ヒュンダイ新型ジェネシスに使用されるコンチネンタル製3Dディスプレイの基盤ユニットで、現代のE/Eアーキテクチャの発展において大きな通過点となりうる存在と位置づける。

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