中国との国境問題が再燃しているインドが、中国からの輸入手続きを強化し、米アップル製品の生産を受託している鴻海(ホンハイ)精密工業などのインド工場で操業に影響がでている。
ヒマラヤ山脈の係争地での軍の衝突を受け、インドの港では、中国からの輸入品の審査が強化され、通関手続きが滞っている。
複数の関係筋によると、インド南部のホンハイの2カ所の工場は今週、部品が届かず操業できない状態。この2工場では数千人が働き、主にアップルと小米(シャオミ)のスマートフォンを組み立てているが、「多くの従業員が仕事がなく寮で過ごしている」という。
ホンハイ、アップル、小米科技(シャオミ)に取材したが、返答はない。
税関を所管する財務省の2人の当局者は、輸入審査は一時的なもので、すぐに緩和されると説明。
「全数検査をずっと続けることはできない。影響を受けている中国以外の企業が出荷した品の通関が優先される」と述べた。
デル、上海汽車集団(SAIC)系のMGモーターの製品も南部の港で留め置かれている。
MGモーターは昨年、インドで自動車の販売を開始した。状況が改善しなければ、自動車業界全体が影響を受けると関係筋は話した。
中国商務省の報道官は2日、インドが中国製の携帯端末用アプリを使用禁止にしたことについて、中国企業に対する差別的な行為を直ちに中止することを望むと述べた。
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