フィルム液晶技術を手掛けるベンチャー企業、深セン市唯酷光電(SHENZHEN WEICUE OPTOELECTRONICS、以下WEICUE)が超薄型の無段階調光液晶フィルムを開発した。わずか0.1秒で自在に明るさを変化させられる画期的な技術で、このほどベンチャーキャピタルからシリーズA投資として約1億円を調達、製品のマーケティングに充てる。
WEICUEはすでに高明度液晶手書き黒板をヒットさせており、今回の資金調達をテコにさらなる成長を目指す。
WEICUEは2014年に設立され、主にフレキシブル液晶ディスプレイや液晶調光フィルムの開発・製造を手掛けてきた。主な製品には高明度液晶黒板や自動調光サングラスなどのアイウエア、自動車ガラス用無段階調光フィルムなどがある。
特に高明度液晶手書き黒板は人気商品で、現在、シャオミ(小米)や京東集団(JD.com)など大手企業とのタイアップにより月間1000万台以上を売り上げている。書かれた文字や絵をワンクリックで消去でき、環境にも目にも優しいという特徴がある。本体は、筐体(きょうたい)とPCBA(プリント回路基板アセンブリ)およびフィルム液晶ディスプレイで構成されている。
WEICUEは新たに開発した超薄型フレキシブル無段階調光液晶フィルムのマーケティングとPRに充てるため、シリーズAで「同創偉業(Cowin Capital)」「創東方投資(CDF-Capital)」および「清源投資(Tsing-Yuan Capital)」から約1億元(約15億円)を調達した。WEICUE創業者の李風華董事長は、これらの出資者が、いずれも業界内で知名度の高いベンチャーキャピタルで、とくに人工知能(AI)やビッグデータ、スマート製造、新材料などの幅広い分野の経営資源を保有していると指摘。これらのベンチャーキャピタルからは、経営資源の整理・統合、製品の普及およびブランドとしての影響力向上に関するサポートも受けられると説明した。
WEICUEはこの自動調光液晶フィルムの完全な知的財産権を保有しており、日本と台湾にフィルム液晶の生産ラインを持つ研究開発センターを構えている。李董事長は、同社のフィルム液晶のコアテクノロジーがとくに優れている点として以下の三点を挙げた。
一、透過率を0.5~75%の範囲で調節することができ、無段階調光が可能な上、高分子分散型液晶(PDLC)の性能を大きく上回る。全透過光に対する拡散光の比率を示す「ヘイズ値」も低い。(※室内灯などが画面に映り込みにくいなどの効果がある)
二、生産・加工の全プロセスに関する技術が確立されている。
三、フレキシブル液晶フィルムをロール・ツー・ロールで自動生産できる世界唯一の生産ラインを保有している。
この液晶フィルムは、PDLCだけでなく懸濁粒子デバイス(SPD)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)と比較しても調光範囲が広く、安定性が高く、ヘイズ値が低く、断熱性が高いという。
WEICUEの液晶フィルムは、法人向け製品にも一般消費者向け製品にも応用できる。現在は、主に自動車ガラスや自動調光サングラス、建材用調光フィルムなどに利用されている。
WEICUEのアイウエアは自動無段階調光が可能で、断熱・紫外線と赤外線のカット・防水機能を備えている。日常の生活シーンにも、屋外スポーツや車の運転にも対応する。また、防弾性能を備えた製品もあり、国レベルのセキュリティ部門と提携して軍事用サングラスを提供している。
短期的な目標として、まずは消費者向け市場を攻略する方針だ。同社のアイウエアは現在、日本や米国向けに販売されるほか、中国国内では京東や淘宝(Taobao)、蘇寧(Suning)、シャオミなどのECサイトに出品され、すでに月間1万個以上を売り上げ、黒字化を達成している。李董事長は、最終顧客となる消費者の評価は非常に重要で、同社製品の売り上げにつながるだけでなく、ブランドとしての影響力を高めるとの見方を示している。
■ フレキシブル無段階調光フィルムで自動車ガラスの調光技術を刷新
現在、市場に出回る一部の高級車の自動車用調光ガラスにはSPD技術が採用されている。しかし、同技術を利用したガラスは調光反応速度が遅く、調光に用いられる電圧が110ボルトと高いため、感電の危険もある。さらに濃青色への偏りやヘイズ値の高さなど大きな問題を抱えている上、コストも高く、普及は難しい。エレクトロクロミズム(EC)技術を利用したECDも調光速度が極めて遅く、濃青色への偏りがあるため、自動車ガラスへの応用は難しい。
WEICUEのフレキシブル無段階調光フィルムは、SPD技術を利用した自動車用調光ガラスが抱える多くの問題を解決しており、コストが比較的低いという特徴もある。調光には30ボルト未満の電圧を用いることで感電の危険をなくし、0.1秒の速さで無段階調光ができる。フレキシブル無段階調光フィルムは、自動車のサンルーフとサイドウインドウに利用されている。国際的な自動車ガラスメーカーが初期装備としているほか、後付け用品としても販売されている。透過率はユーザーが手動調節できるが、周囲の光線に合わせた自動調節も可能だ。
同社は長期的な計画として、法人向け市場を開拓し、大手ハイテク機器メーカーのサプライヤーを目指す方針だ。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
WEICUEはこの自動調光液晶フィルムの完全な知的財産権を保有しており、日本と台湾にフィルム液晶の生産ラインを持つ研究開発センターを構えている。李董事長は、同社のフィルム液晶のコアテクノロジーがとくに優れている点として以下の三点を挙げた。
一、透過率を0.5~75%の範囲で調節することができ、無段階調光が可能な上、高分子分散型液晶(PDLC)の性能を大きく上回る。全透過光に対する拡散光の比率を示す「ヘイズ値」も低い。(※室内灯などが画面に映り込みにくいなどの効果がある)
二、生産・加工の全プロセスに関する技術が確立されている。
三、フレキシブル液晶フィルムをロール・ツー・ロールで自動生産できる世界唯一の生産ラインを保有している。
この液晶フィルムは、PDLCだけでなく懸濁粒子デバイス(SPD)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)と比較しても調光範囲が広く、安定性が高く、ヘイズ値が低く、断熱性が高いという。
WEICUEの液晶フィルムは、法人向け製品にも一般消費者向け製品にも応用できる。現在は、主に自動車ガラスや自動調光サングラス、建材用調光フィルムなどに利用されている。
WEICUEのアイウエアは自動無段階調光が可能で、断熱・紫外線と赤外線のカット・防水機能を備えている。日常の生活シーンにも、屋外スポーツや車の運転にも対応する。また、防弾性能を備えた製品もあり、国レベルのセキュリティ部門と提携して軍事用サングラスを提供している。
短期的な目標として、まずは消費者向け市場を攻略する方針だ。同社のアイウエアは現在、日本や米国向けに販売されるほか、中国国内では京東や淘宝(Taobao)、蘇寧(Suning)、シャオミなどのECサイトに出品され、すでに月間1万個以上を売り上げ、黒字化を達成している。李董事長は、最終顧客となる消費者の評価は非常に重要で、同社製品の売り上げにつながるだけでなく、ブランドとしての影響力を高めるとの見方を示している。
■ フレキシブル無段階調光フィルムで自動車ガラスの調光技術を刷新
現在、市場に出回る一部の高級車の自動車用調光ガラスにはSPD技術が採用されている。しかし、同技術を利用したガラスは調光反応速度が遅く、調光に用いられる電圧が110ボルトと高いため、感電の危険もある。さらに濃青色への偏りやヘイズ値の高さなど大きな問題を抱えている上、コストも高く、普及は難しい。エレクトロクロミズム(EC)技術を利用したECDも調光速度が極めて遅く、濃青色への偏りがあるため、自動車ガラスへの応用は難しい。
WEICUEのフレキシブル無段階調光フィルムは、SPD技術を利用した自動車用調光ガラスが抱える多くの問題を解決しており、コストが比較的低いという特徴もある。調光には30ボルト未満の電圧を用いることで感電の危険をなくし、0.1秒の速さで無段階調光ができる。フレキシブル無段階調光フィルムは、自動車のサンルーフとサイドウインドウに利用されている。国際的な自動車ガラスメーカーが初期装備としているほか、後付け用品としても販売されている。透過率はユーザーが手動調節できるが、周囲の光線に合わせた自動調節も可能だ。
同社は長期的な計画として、法人向け市場を開拓し、大手ハイテク機器メーカーのサプライヤーを目指す方針だ。
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