半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)は来年、高雄工場で3,000人以上の人材を募集する計画だ。第5世代移動通信(5G)やテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)向けの需要が力強く、生産能力を拡大するためだ。川上のIC設計最大手、聯発科技(メディアテック)は1,000人以上、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は約8,000人と今年並みの新規雇用を続けるとみられる。半導体業界は人材の奪い合いが激化しそうだ。24日付経済日報などが報じた。

ASEH高雄工場で来年主に募集するのは、▽プロセスエンジニア▽研究開発(R&D)エンジニア▽オートメーションエンジニア▽設備エンジニア▽技術者──など。高雄工場は23日、顧客からの受注が好調で、ワイヤーボンディングの生産ラインがフル稼働となっており、人材需要が高まっていると説明した。






 ASEHは、来年は5Gやノートパソコン、タブレット端末、ネットワーク設備向けの需要好調が続く見通しで、生産能力拡大の好機と指摘した。

 TSMCは、今年の人材募集は約8,000人。来年の求人規模は発表していない。業界では、同社は先進プロセスがフル稼働で、生産拡大を進めているところで、来年の求人規模は今年を下回らないとみられている。求人求職情報サイトの登録情報によると、▽作業員▽プロセスエンジニア▽R&Dエンジニア▽マネージャー──など約200の職種で募集している。昨年の企業の社会的責任(CSR)報告書によると、従業員のうち約半数が修士・博士課程修了で、年齢構成では30歳以下が約24%を占める。

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 メディアテックの来年の人材募集計画は1,000人以上と、今年と同規模を見込む。昨年末時点の従業員数は1万4,000人で、うち台湾の従業員が約9,000人。職種別では9割がR&Dや技術関連で、学歴別では修士・博士課程修了者が76%を占める。

 フラッシュメモリー用コントローラーIC設計大手、群聯電子(ファイソン・エレクトロニクス)は、採用人数に上限を設けず人材を募集する。現在の従業員数は2,200人で、うち台湾のR&D人材は1,550人を占める。潘健成董事長は、NAND型フラッシュメモリーを使用する▽ゲーム機▽サーバー▽ノートPC▽スマートフォン──などの製品の大手メーカーが、ファイソンとの提携を希望しており、案件が多すぎて消化しきれず、R&D人材がもっと必要だと説明した。

 労働部労働力発展署(労発署)の23日発表によると、公営の就労支援機関の飲食・宿泊業の10月求人数は1万4,595人で、前月比9.36%増加、前年同月比3.8%増加し、同月として過去4年で最も多かった。うち6割を「その他飲食サービス人員」「食品調理アシスタント」が占めた。

 労発署は、第3四半期に台湾経済が回復基調に入った、巣ごもり需要の拡大で飲食店の宅配代行サービス(フードデリバリーサービス)の利用が増えている、百貨店業界の周年慶(創業祭)セールでの集客効果で、館内の飲食店の売り上げが好調などが要因と分析した。

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