台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がベトナムで米アップルのタブレット端末「iPad」とノートPC「MacBook(マックブック)」の生産を計画していることが、26日分かった。2021年前半にも始める。これまでアップル製品の大半は中国で生産していたが、脱・中国の動きを急ぐ。

iPadの中国以外での生産は、ベトナムが初となる見込み。ロイター通信が26日伝えた。鴻海は現在、ベトナム北東部にあるバクザン省にある工場で、生産ラインを準備中だという。

米中対立が続くなか、過度に中国に依存した従来の生産体制から脱却するのが狙い。今回、米アップルの要請でベトナムでの生産を決めたという。生産規模など詳細は明らかになっていない。鴻海の広報担当者は26日、「顧客についてはコメントしない」と語った。





アップル製品の生産の大半はいまだ中国だが、iPhoneの生産が最近インドで本格化するなど脱中国の動きが進んできた。鴻海によるiPadとMacBookのベトナム生産はその動きに続く、大きな流れだ。

ベトナムでは最近、アップル製品の受託生産をほぼ独占する台湾企業の投資が活発化している。電子機器の受託製造サービス(EMS)で鴻海に続く世界2位の和碩聯合科技(ペガトロン)が3月、同業の緯創資通(ウィストロン)も昨年末、ベトナムに進出した。

ベトナムは日中韓や東南アジア諸国を含む15カ国が加わる東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)に加盟している。低関税のメリットも得られやすいとみて脱・中国の一番手の生産地としても注目されている。

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