25日から新竹・苗栗・台中地区の工業用水の大口使用者に対する給水制限を11%へと従来の7%から引き上げるのに伴い、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)や聯華電子(UMC)、世界先進積体電路(VIS)は23日、給水車を配備した。半導体の供給が世界的に逼迫(ひっぱく)する中で、水不足への警戒感を高めている。王美花経済部長は23日、最悪の状況を想定しており、給水制限解除は5~6月の梅雨入り後まで続く見通しと説明した。24日付経済日報などが報じた。
TSMCは23日、給水車の操作演習を行った。給水車で北・中・南部の一部工場を支援する。業界関係者は、16ナノメートル以降の先進製造プロセスの水需要への対応と分析した。
TSMCは23日、給水車の操作演習を行った。給水車で北・中・南部の一部工場を支援する。業界関係者は、16ナノメートル以降の先進製造プロセスの水需要への対応と分析した。
TSMCの新竹科学園区(竹科)、中部科学園区(中科)、南部科学園区(南科)での水道使用量は1日当たり15万トン以上で、科学園区全体の3分の1を占める。
TSMCは、▽水使用量削減▽排水回収▽再生水増加──などの節水措置を進めており、回収した排水を工業用水へと精製した再生水を5カ所の工場区で使用し、128万6,000トンを節水できた。2019年の節水量は前年比328万トン増の793万トンで、過去最高だった。
TSMCは、ファウンドリー世界市場シェア5割以上で、顧客は▽アップル▽クアルコム▽エヌビディア──など。半導体が世界的に不足する中、給水に支障が生じれば、半導体のさらなる逼迫や受託生産価格の上昇につながる恐れがある。
UMCは科学園区管理局に対し、安定生産のために給水車による給水措置を取ると報告した。ただ、当面の給水制限で生産に影響は出ないと説明した。
TSMC傘下のVISは竹科で給水車を要請した。VISは、竹科の水道水供給は逼迫しており、節水を強化し、製造用以外の水使用量を減らすと表明した。
6インチウエハー工場を有するファウンドリーの台湾茂矽電子(モセル・バイテリック)や半導体メモリー大手の華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)は給水車を配備していない。
ウィンボンドは、製造プロセスで使用する排水の回収率向上、工場内で使用する生活用水の削減、植木への散水削減などの措置を講じており、給水車の利用は最後の手段だと説明した。
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は、リアルタイムの水量管理や節水などを実施しており、サプライチェーンへの影響を考慮し、給水車を配備すると説明した。製造プロセスでの節水や、レストランやトイレなどの生活用水の節水、設備の生産能力調整などを実施し、生産には影響が出ないと説明した。
群創光電(イノラックス)は、▽排水回収装置への投資拡大▽給水車の契約▽演習の実施──など早めに対策済みだと説明した。目下の給水制限は同社の目標以下のため給水車は必要なく、生産には影響がないと表明した。
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