2021年3月29日付、ドイツ・ダルムシュタット発、世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業であるMerck(以下メルク)は、ビームステアリング(電子追尾)式スマートアンテナ用の液晶ベースソリューションであるlicriOn™の商用提供を開始したことを発表しました。
licriOn™のテクノロジーは、最適化したマイクロ波特性を備えたカスタム設計の分子を実装することで、現代のデータ通信性能を向上する新しい種類のアンテナを実現し、このアンテナによって静止衛星や移動衛星と簡単に接続することができます。
液晶ベースのソリューションのエネルギー効率およびコスト効率の高さは広範なコネクティビティへのアクセスを可能にし、現在高速インターネット接続が提供されていなかったり、利用できなかったりする地域においてもコネクティビティを実現することができます。
licriOn™のテクノロジーは、最適化したマイクロ波特性を備えたカスタム設計の分子を実装することで、現代のデータ通信性能を向上する新しい種類のアンテナを実現し、このアンテナによって静止衛星や移動衛星と簡単に接続することができます。
液晶ベースのソリューションのエネルギー効率およびコスト効率の高さは広範なコネクティビティへのアクセスを可能にし、現在高速インターネット接続が提供されていなかったり、利用できなかったりする地域においてもコネクティビティを実現することができます。
メルクのエレクトロニクス・ビジネスのディスプレイソリューションズ・ビジネスユニット グローバル責任者を務めるマイケル・ヘックマイヤー(Michael Heckmeier)は次のように述べています。「安定したインターネットアクセスは開発や進化を推進するための重要な要素です。licriOnの提供開始は、サイエンスとテクノロジーによって世界最大級の問題に対応しようとするメルクの姿勢を明確に示すものです。大きな可能性を秘めたこの分野で当社の持つ液晶に関する専門知識を活用することにより、現在安定的にインターネットアクセスが得られていない人々のために新たな機会を創出します。メルクのスマートアンテナ技術にはあらゆる人々のデジタルリビングを進化させる可能性があると確信しています」
LicriOn™を基盤とするアンテナが通信システムの新たな時代を実現
現代の無線通信システムにおいて、高性能アンテナは必要不可欠な要素となっています。高周波信号による送受信基地局間の接続品質を高めるためには、多くの場合、ビームステアリングアンテナが必要です。例えば非静止衛星を用いた衛星放送などの一部アプリケーションにおいてはこのようなアンテナが不可欠です。licriOn™を基盤とするアンテナは、アンテナを物理的に調整することなく理想的な方向に電子的にビームを向けることができます。これは、licriOn™の薄い液晶の層を備えたアレイアンテナ要素を組み合わせることによって実現します。液晶は分子レベルで切り替わり、強力かつ高精度でエネルギー効率の高いビームステアリングを可能にします。
licriOn™を基盤としたスマートアンテナには数多くの利点があります。省スペース、省エネルギーでありながら優れた性能を実現できるほか、従来型のソリューションに比べて大幅に製造コストを低減することができます。さらに、機械的なアンテナに比べて維持管理や修繕、取り換えの頻度を低減できるため、船舶や航空機を始めとする車両にも簡単に搭載でき、ほぼシームレスな接続を実現することができます。
メルクのlicriOn™液晶技術によるデジタルリビングの進化
新たな衛星コンステレーションのおかげで、現在では世界中の辺境地においても車両や機械、携帯電話の接続が可能になっています。しかし、こうしたネットワークを最大限に活用するためには、次世代のインテリジェントなアンテナが必要であり、ユビキタス接続のためには、汎用性があり且つエネルギー効率が高く低コストのテクノロジーが必要です。
licriOn™にはメルクの液晶技術が搭載されています。メルクは110年以上にわたって液晶の持つ可能性を追求してきた歴史を持ち、今回、高速接続用に大量のデータ伝送を可能にする画期的な新技術を提供します。これにより、5Gやスマートシティ、モビリティといった技術的メガトレンドにおいて液晶が重要な役割を果たすことになります。省エネルギー性と導入しやすい価格を持つ液晶技術はインターネットにより教育やビジネス機会、社会的な交流を促進させることを通じ、遠隔地や後開発地域の人々の生活を大幅に向上させる可能性を秘めています。
※記事の出典元はツイッターで確認できます⇒コチラ
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