テレビ向け大型液晶パネルの値上がりが加速している。指標品の3月の大口需要家向け取引価格は2月に比べ6~7%高い。10カ月連続で上昇し、上昇幅も前月より広がった。テレビ販売の好調に加え、世界的な半導体不足で液晶パネルに使う半導体部材の品薄感も一段と深刻になっている。上昇基調はまだ続くとの予想が多い。
指標となるオープンセル(バックライトがついていない半製品)の3月の大口取引価格は、55型が1枚204ドル前後。2月比12ドル(6%)ほど高い。2017年8月以来、約3年半ぶりの高値水準だ。
32型も5ドル(7%)ほど高い1枚76ドル前後だった。値上がりはともに10カ月連続となる。
指標となるオープンセル(バックライトがついていない半製品)の3月の大口取引価格は、55型が1枚204ドル前後。2月比12ドル(6%)ほど高い。2017年8月以来、約3年半ぶりの高値水準だ。
32型も5ドル(7%)ほど高い1枚76ドル前後だった。値上がりはともに10カ月連続となる。
2月は1月比5~6%高で決着していた。市場では「既に異例の値上がりが続いており、3月は上昇ペースが緩やかになるだろう」(半導体商社)との見方が多かった。ところが半導体工場のトラブルが相次ぎ発生。半導体不足の懸念が一段と強まり上昇幅はむしろ広がった。
深刻な不足が続くのが、パネルの駆動制御に使う半導体「ドライバーIC(集積回路)」だ。受託生産会社にとり、ドライバーICは利益率が低く生産の優先度が高くない。このためパネル業界側は「ドライバーICの購入価格を上げて確保せざるを得ない」(半導体商社)。
ガラス基板の調達も依然困難という。ディスプレー調査会社、米DSCCの田村喜男アジア代表は「部材の不足解消には時間がかかる見込みで、4~6月も値上がり基調が続く」とみる。
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