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...「日本の有機ELパネル開発は終わった」と思われがちだが、実は前述したソニーとパナソニックの技術資産をそのまま引き継ぎ、パネル開発を継続してきた企業がある。
それが、現在世界で唯一“印刷式”の有機ELパネルを量産するJOLEDだ。
JOLEDは今年3月、量産ラインで製造した独自の有機ELパネル・OLEDIO(オレディオ)を千葉事業所から出荷。OLEDIOは、LGの4Kディスプレイ「32EP950」やアストロデザインの業務用4Kディスプレイ「DM-3430」への採用がすでに決まっており、高性能な仕様が要求される映像制作の場で、今後OLEDIO搭載ディスプレイが活躍すると期待されている。






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JOLEDは2015年、有機ELパネルの量産開発加速、および早期事業化を目的として、ソニー、パナソニック双方の有機EL開発部門を統合して誕生した企業だ。

“開発部門を統合”という言葉の通り、両社の関連技術者や技術資産――例えば、世界初の有機ELテレビ「XEL-1」や、業務用有機ELマスターモニター「BVM-E250」「BVM-X300」等の開発で培われたソニーのノウハウ(トップエミッションやマイクロキャビティ構造)、パナソニックが研究開発していたRGB印刷式の製造ノウハウなど――は、このときJOLEDに移された。
今回取り上げるOLEDIOは、2019年に稼働し、2021年に量産開始した石川県・能美事業所のライン(第5.5世代マザーガラス:1,300×1,500mm)で製造された最新パネル。
ラインでは10型から32型まで製造可能だが、現在は比較的多くの需要が見込まれる「32型」「27型」「22型」をラインナップしている。いずれのサイズも解像度は4K/3,840×2,160ドットで、22型の場合、精細度は204ppi。現状、20~30型の中型サイズで4K解像度を実現した量産有機ELパネルは、OLEDIOだけだ。
印刷式を業界のデファクトスタンダードとすべく、TRIPRINT技術をはじめとする蓄積技術、および知的財産を技術ライセンスとして展開するJOLEDの戦略であり、資本力を持つTCLグループとタッグを組むことで、大型テレビ向けの印刷式有機ELパネル開発を実現、加速しようとしている。すでに中国本土からTCLの若い技術者らが多数来日し、順調に共同開発が進められているという。
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改訂 インクジェット (デジタルプリンタ技術) [ 日本画像学会 ]
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