市場では、ファウンドリーが第3四半期に、成熟製造プロセスの受託生産価格を最大30%引き上げるとの観測が浮上している。
サプライヤーは、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)、オンライン学習向けノートパソコン、タブレット端末や、車載用の需要が急増し、ドライバICやマイクロコントローラー(MCU)、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)の使用量が増えていると分析した。義隆電子(ELANマイクロエレクトロニクス)などIC設計会社も第3四半期に、ドライバICやMCUを1割値上げするとみられている。15日付経済日報などが報じた。

ファウンドリーの30%値上げが事実となれば、従来予測の15%を大きく上回る。特に聯華電子(UMC)や、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)の値上げ幅が大きいとみられている。





UMCは14日、値上げについてはコメントを控えたものの、今年は平均価格(ASP)が10%以上上昇する見通しだと説明した。サプライヤーによると、UMCが12インチウエハーで新製品を生産する場合、納期は早くて17週間(約3.9カ月)、遅くて2~3四半期かかるようだ。8インチは早くて14週間(約3.2カ月)、遅くて2四半期と、従来の約2カ月より長引いている。

 PSMCの黄崇仁(フランク・ホアン)董事長は、半導体の受託生産価格は四半期ごとに上昇しており、下がる気配はないと語った。もし顧客のIC設計会社の粗利益率がPSMCを超えれば、必ず値上げすると述べた。

 また黄・董事長は、2022年末まで受注が満杯で、既に23年分の受注交渉を始めていると明らかにした。22~24年の生産能力を確保するため、既に予約金を支払っている顧客もいるようだ。

 観測によると、IC設計会社の▽ELAN、▽矽創電子(シトロニクス・テクノロジー)、▽盛群半導体(ホルテック・セミコンダクター)──なども第3四半期に、ドライバICやMCUのオファー価格を1割引き上げるようだ。実現すれば、ELANとシトロニクスは今年3度目の値上げとなる。敦泰電子(フォーカルテック・システムズ)は値上げを検討中とされる。

 ELANは、今年1月にMCUを値上げし、春節(旧正月、2021年は2月12日)後には受注を見合わせ、第2四半期に再値上げした。市場では、第3四半期の値上げ幅は10%以上との予測が出ている。

 シトロニクスは、第1四半期に制御用と車載用半導体を値上げし、第2四半期にスマートフォン向けドライバICを値上げした。第3四半期に再値上げすれば、ドライバICの値上げ幅は年初来で3割に上るとみられる。

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