パナソニックは24日、大阪市内で株主総会を開きました。
9年間、社長を務めた津賀一宏氏が退き、後任として楠見雄規氏が新社長に就く人事案を報告し、その後の取締役会で決定しました。
パナソニックの株主総会は、去年に続いてことしも新型コロナの感染対策として座席数を大幅に減らし、例年の10分の1以下の285人の株主が出席しました。
この中では、2012年から9年間、社長を務めた津賀氏が退任して会長となり、その後任として、ことし4月からCEO=最高経営責任者を務める楠見氏が社長に就く人事案が報告されました。
このあと、会社は取締役会を開いて、この人事を正式に決めました。
総会では、▼来年・2022年の4月に持ち株会社に移行し、▼社名を「パナソニックホールディングス」に変更する議案が可決されたほか、▼アメリカのソフトウエア会社、「ブルーヨンダー」をおよそ7600億円で買収し、完全子会社化するねらいについて説明が行われました。
道をひらく (松下幸之助シリーズ) [ 松下幸之助 ]
【津賀社長 在任の9年間とは】。
9年間、社長を務めた津賀一宏氏が退き、後任として楠見雄規氏が新社長に就く人事案を報告し、その後の取締役会で決定しました。
パナソニックの株主総会は、去年に続いてことしも新型コロナの感染対策として座席数を大幅に減らし、例年の10分の1以下の285人の株主が出席しました。
この中では、2012年から9年間、社長を務めた津賀氏が退任して会長となり、その後任として、ことし4月からCEO=最高経営責任者を務める楠見氏が社長に就く人事案が報告されました。
このあと、会社は取締役会を開いて、この人事を正式に決めました。
総会では、▼来年・2022年の4月に持ち株会社に移行し、▼社名を「パナソニックホールディングス」に変更する議案が可決されたほか、▼アメリカのソフトウエア会社、「ブルーヨンダー」をおよそ7600億円で買収し、完全子会社化するねらいについて説明が行われました。
楠見氏は、「すべての事業で攻めるべき領域を定め、競争力を徹底的に高めていく」と述べ、収益力を高めていく考えを強調しました。
【株主からは厳しい声】。
パナソニックの株主総会で、出席した株主からは、低迷する業績や株価への厳しい意見が相次ぎました。
大阪市の70歳代の男性は、「社長が交代して新しい方針を出してもうまくマッチしていない。他社との競争も激しいので売り上げがついていかず、株価は上がらないままだ」と話していました。
また、30年前から株主だという奈良県の50歳代の男性は、「きょうの株主総会でも具体的な施策がなかなか発表してもらえず、期待はできないかなと感じました。社長の話を聞いていても今後の展望がみえません」と話していました。
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【津賀社長 在任の9年間とは】。
津賀氏が社長として在任した2012年6月からの9年間、パナソニックは過去最大の赤字からの脱却と柱となる事業の模索に苦しみました。
津賀氏が就任した2012年、会社は前の年度(2011年度)、7700億円を超える過去最大の赤字に陥っていました。
会社の命運をかけてプラズマテレビの事業に巨額投資を続けてきましたが、韓国のメーカーが製造する液晶テレビとの激しい価格競争で劣勢に立たされ、赤字がふくれあがっていたのです。
津賀氏は、このプラズマテレビからの撤退を決断するとともに、企業向けのビジネス、いわゆるBtoBの分野に大きくかじを切る方針を打ち出しました。
この戦略のもと、アメリカの電気自動車メーカー、テスラとも提携し、車載用電池の事業で大規模な投資も行い、2017年からアメリカ・ネバダ州の電池工場を共同運営しています。
しかし、テスラ向けの事業が黒字となったのは昨年度になってからで、会社を支える事業にはまだ成長していません。
会社は「構造的に赤字となっている事業を撲滅する」という戦略を打ち出し、▼液晶パネルの生産、▼半導体事業、▼自動販売機、▼太陽電池など、不採算事業からの撤退を加速。
ことし3月末にはテレビの国内生産からも撤退しました。
一方、将来の成長に向けて大規模な投資にも踏み出します。
ことし4月、アメリカのソフトウエア会社「ブルーヨンダー」を71億ドル、およそ7600億円で買収し、完全子会社化することを発表。
この会社は、工場や倉庫と売り場を効率的につなぐシステムの開発を手がけていて、アメリカの飲料大手、コカ・コーラをはじめ、世界中に3000社を超える顧客を持っています。
パナソニックが得意とする顔認証技術やセンサーなどを組み合わせることで、単純にものをつくって売るだけでなく、ソフトと融合させて付加価値を高める戦略です。
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