「軽く、薄く」が使命ともいえるスマートフォンなどのモバイル端末では、これまでにも内部で使用されるフィルムなどの部材で薄型化や機能統合が進められてきた。近年、スマホのディスプレーに有機ELが採用され、さらに曲がる、折りたためるフォルダブルディスプレーの実用化が進められていることで、ディスプレーの重要部材である偏光板に変化が生まれている。
有機ELディスプレーで用いられる偏光板は、円偏光板と呼ばれ、液晶ディスプレーのような光の透過をコントロールするための必須部材ではなく、パネル内部の光反射の防止のために用いられる。有機ELは電極素材にアルミや銅などの金属を用いることから、入射した外光がディスプレー内で散乱してしまうためだ。また、反射防止には必ずしも円偏光板でなくてもよく、さらに偏光板自体が光を吸収して輝度が低下してしまうため、他の部材に反射防止の役割を付加し、代替させる開発が進められている。
現状は、反射防止の役割をカラーフィルター(CF)に代替させる技術開発や実用化が進められているほか、複数の機能を付加する、機能のエンベデッド化も試行錯誤されている。
有機ELディスプレーで用いられる偏光板は、円偏光板と呼ばれ、液晶ディスプレーのような光の透過をコントロールするための必須部材ではなく、パネル内部の光反射の防止のために用いられる。有機ELは電極素材にアルミや銅などの金属を用いることから、入射した外光がディスプレー内で散乱してしまうためだ。また、反射防止には必ずしも円偏光板でなくてもよく、さらに偏光板自体が光を吸収して輝度が低下してしまうため、他の部材に反射防止の役割を付加し、代替させる開発が進められている。
現状は、反射防止の役割をカラーフィルター(CF)に代替させる技術開発や実用化が進められているほか、複数の機能を付加する、機能のエンベデッド化も試行錯誤されている。
また、こういった「偏光板レス」化の動きだけでなく、偏光板できっちりと反射を抑えた方が、光抜けを防ぎ、美しい画面、特に有機ELの特色である漆黒の色を表現できることから、円偏光板を10μm以下の極薄にした製品も市場展開され始めている。従来のフィルムタイプの円偏光板では10μm以下の薄さの実現が難しいため、液晶材料を用いた塗布型の部材が今後の主流になると見られている。
では、偏光板レス化にはどのようなメリットがあるのだろうか。主に、①有機ELを用いるモバイル端末では、偏光板レスにすることで電池容量が増やせる、②CF成膜はインハウスで行われるため、外部部材を使用するよりもコストダウンできる可能性がある、③輝度を半減させる偏光板を除くことで、輝度が向上し低消費電力化が可能になる、ことの3点が理由として挙げられる。
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