任天堂はNintendo Switch(有機ELモデル)を発表した。多くの人が望んでいたような、処理能力や解像度が上がったモデルではなかったが、それでもいくつか歓迎すべき改善点はある。特に有機Eディスプレイは大きな変化だろう。

そもそも有機ELとは何か、本稿で説明したい。Nintendo SwitchのこれまでのモデルはLCD(通常の液晶ディスプレイ)ディスプレイが搭載されていた。LCDから有機ELはそこまで大きなアップグレードには聞こえないのかもしれないが、実はいくつかのメリットがある。





LCDと有機ELの違いについて
LCDと有機ELの大きな違いは画面を照明する方法だ。ディスプレイ(テレビでもタブレットでも)に表示される映像はピクセルから成り立っている。青・緑・赤のサブピクセルがディスプレイに映像の色を作り出しているが、照明がなければ色のコンビネーションは見えない。

LCDのディスプレイは1つあるいは複数のバックライトを使っている。このバックライトは大きなパネルのようなもので、実際のディスプレイと同じ大きさである。ディスプレイをつけているときは常にバックライトから白い光が発光される。これの問題は、電力の消費が激しくなってしまうことだ。LCDディスプレイのスマートフォンやこれまでのNintendo Switchのモデルでは、これが大きな問題に成り得るが、一方でLCDは比較的に安価であるというメリットがある。

有機ELはバックライトを用いることなく、ピクセルの1つひとつが有機EL素子が自ら発光するようになっている。これによって、常に全体が照らされるのではなく、その映像に必要な部分だけが発光するようになっている。これによって、映像の明暗差がはっきりし、電力の消費も軽減される。ただ、有機ELはLCDよりも高価であることに加え、LCDほど明るくはならないというデメリットもある。

Switchのディスプレイが有機ELになったことのメリット
LCDと有機ELはそれぞれメリットとデメリットがあるが、Switch(有機ELモデル)は黒がより深くなり、色のコントラストがはっきりしてより鮮やかな映像を映し出すようになる。さらに、電力の消費もより控え目になるだろう。

電力の消費については、バッテリーの持続時間も長くなる可能性があるが、使用されるバッテリー(3.7V / 4,310mAh / 16Wh)は通常のSwitchと同じだ。任天堂が指摘するように、バッテリーの持続時間はプレイするゲームによっても異なる。

有機ELのディスプレイは、新モデルにアップグレードしたくなるほどではないという人も多いだろう。それでも、より細いベゼルで、ハイコントラストで色鮮やかな映像が楽しめるディスプレイを求めていたユーザーにとっては十分かもしれない。バッテリーの持続時間も発売時点のSwitchよりはいいし、ドックもアップグレードが施され、内臓メモリの増量やバックスタンドの進化といった細かい改善点もある。

新モデルは残念ながらプロセッサーが変わるわけではないので、4K出力には対応していない。Joy-Conもこれまでと同じであることを思えば、コントローラーのドリフト問題も引き続き発生するだろう。そうなってくると、有機ELのディスプレイが新モデルの一番の売りになるわけだが、すでに旧型モデルを所持しているユーザーにとって3万7980円という価格は少し高すぎるかもしれない。

Nintendo Switch(有機ELモデル)は10月8日に発売予定だ。

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