「発電コスト、最安は原発から太陽光」「原発優位崩れる」などの見出しがニュースのヘッドラインに躍った。経産省は12日、有識者委員会「発電コスト検証ワーキンググループ」で、2030年時点の発電コストの試算を提示。別表の通り、太陽光が初めて最安値となったのだ。
エネルギー問題に詳しい千葉商科大准教授の田中信一郎氏は、石炭火力や原子力を推進したい経産省ですら「太陽光などの再生可能エネルギーが安いと認めざるを得なくなった」として、こう話す。
「経産省は30年時点の試算としてコストを出していますが、現時点でも実際には太陽光の方が原子力より低いはずです。これまで経産省は太陽光の価格を高く、原子力は安く見積もる操作をしてきた。本来はしっかり改めなければならない。ただ、そのような計算をしても太陽光より原子力の方が高くなってしまう状況ということです」
エネルギー問題に詳しい千葉商科大准教授の田中信一郎氏は、石炭火力や原子力を推進したい経産省ですら「太陽光などの再生可能エネルギーが安いと認めざるを得なくなった」として、こう話す。
「経産省は30年時点の試算としてコストを出していますが、現時点でも実際には太陽光の方が原子力より低いはずです。これまで経産省は太陽光の価格を高く、原子力は安く見積もる操作をしてきた。本来はしっかり改めなければならない。ただ、そのような計算をしても太陽光より原子力の方が高くなってしまう状況ということです」
原子力の発電コストの試算が低く出る大きな理由として田中氏が指摘するのは、原子力独自の損害賠償保険の存在だ。一般の原発では損害賠償措置額が1200億円を超えた場合、政府が賠償を援助することが法で定められている。しかし、太陽光など再生可能エネルギー発電の事故には政府補償がない。それぞれの発電における民間損害賠償保険料の算出する前提は異なるのだ。
「福島第1原発事故のコストも小さく見積もられています。被災者への賠償金を値切っているから訴訟や紛争が起きている。さらに、原発立地自治体への国の支援や地域振興策などもコストに含まれていない。原子力を安く見せかけるような計算方法です。それぞれの発電コストは同じ条件で計算しなければならないはずです」(田中氏)
20年時点の試算だと、事業用太陽光は12円台後半、同住宅は17円台後半だが、10年後にはコストが3分の2ぐらいまで下がると試算されている。急激なコストダウンについて田中氏は、「ラーニング・バイ・ドゥーイング」だと説明する。
太陽光パネルのような大量生産型のハイテク製品は、生産を反復する中で習熟と改善が進み、より安価で性能が良くなっていく。液晶テレビなどが典型例だが、数年かけて1基しか造れない原発では、この効果が生じない。今後は陸上風力もコスト減が見込まれる。原子力の終焉は遠くはなさそうだ。
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