
有機ELパネルは通常四半期ごとにパネルメーカーとテレビメーカーが交渉して価格を決める。7~9月価格は、大型の65型品が4~6月比で25ドル(3%)ほど安い1枚840ドル前後。流通量の多い55型品も、同15ドル(3%)安の1枚500ドル前後となった。

有機ELテレビは深みのある黒の色合いを表現でき、明暗が際立った映像を楽しめる。自ら発光する有機化合物を使うため、液晶パネルで使うバックライトが不要で本体が薄いのが特徴だ。大型向けはLGDが手掛けている。
LGDは中国・広州市の工場で「第8.5世代」と呼ばれる大型パネルの増産を進めている。月産6万枚から9万枚に引き上げ、韓国工場と合わせた7~9月の稼働率は「90%を超える高稼働が続いている」(米調査会社DSCCの田村喜男アジア代表)
一方、世界の巣ごもり需要の一服などを背景にテレビ販売に陰りがみられるなか、競合する液晶パネルは値下がりが鮮明になっている。テレビ市場全体が落ち込めば「有機ELパネル価格がさらに下落する可能性もある」との声も出ている。
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