アップルのサプライヤーである中国BOE社が、スマートフォン以外のタブレットやPCなどに使える大型の有機ELディスプレイを製造するために、中国内にある工場の1つを改装したとのウワサが報じられています。

韓国の電子産業専門誌The Elecによると、BOEは昨年(2021年)iPhone 13用ディスプレイのサプライヤーになった後、「タブレットからPCまで、アップルのIT製品に有機ELパネルを供給している可能性が高い」との観測を伝えています。つまり将来のiPad向けに有機EL画面を供給することを目指しているようだ、と示唆していると思われます。





改装された工場は、最大15インチのディスプレイを製造できるよう設計されているとのこと。ちょうど昨年6月に「アップルが大画面のiPadに取り組んでいるが、発売は2~3年先になる」と述べたBloombergのMark Gurman記者が、つい最近も15インチのiPadが開発されている可能性を仄めかしたばかりのことです。

またBOEの工場では「ツースタック・タンデム構造」の有機ELディスプレイを製造できるとも伝えられています。この技術は赤、緑、青の発光層を2段重ねにして、最大で2倍の輝度を持つディスプレイを実現できるというもの。以前アップルが将来のiPadとMacBookに採用を検討しており、サムスンおよびLGディスプレイと協議中との噂もありました。

ただしThe ELecは、BOEがこのツースタック・タンデム構造パネルの製品化に成功するかどうかはまだ分からない、とも付け加えています。

アップルは今後ディスプレイ付き製品をミニLEDバックライト方式に切替えていくと見られていたものの、ここ最近は有機ELパネルの採用を広げるとの観測も有力となりつつあります。部品コストに敏感なアップルだけに、どちらの方面でも複数のサプライヤーを競い合わせ、値段が下がり性能が上がった方のディスプレイ技術を主力としていくのかもしれません。

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