米調査会社のIDCは12日、2021年のパソコンの世界出荷台数が前年比14.8%増の3億4880万台になったと発表した。在宅勤務などのためにパソコンを購入する流れが続き、半導体などの供給が滞った影響を受けたものの9年ぶりの高水準になった。先行きに関しては慎重な見方も出ている。

メーカー別では中国のレノボ・グループが23.5%のシェアを確保し、前年に続いて首位だった。2位以下には米HP、米デル・テクノロジーズが続いた。米アップルの出荷台数は前年より22.1%増え、上位5社のうち伸び率が最大だった。
IDCは新興国の個人向けが増えたほか、世界的に企業が業務用のパソコンを更新した追い風も受けたとみている。 同日の米ガートナーの発表によると、21年のパソコン世界出荷台数は前年比9.9%増の3億3976万台だった。





一方、足元では成長が鈍化している。IDCによると、21年10~12月期の前年同期比増加率は1%にとどまり、ガートナーは5%減ったとみている。新型コロナウイルスの流行に伴い、在宅勤務や在宅学習向けなどの需要が高まったが、ガートナーの担当者は「パンデミック(大流行)に伴う需要の急増は終わりを迎えた可能性がある」と指摘した。

半導体をはじめとする部品の供給不足も懸念材料になっている。IDCの担当者は「21年は物流や供給制約の影響を受けており、需要はより拡大していた可能性がある」との見方を示している。22年前半についても供給の制約が続いており、需要が底堅いビジネス向けを中心に影響を及ぼす可能性があると指摘している。

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