日東電工の高崎秀雄社長は「2027年3月期をめどに営業利益ベースで産業用テープと医薬事業が占める割合の合計を5割に引き上げる」と日本経済新聞社の取材に対して述べた。現在主力の偏光板や保護フィルムなどのディスプレー材料は市場需要や価格変動が大きい。事業を分散し、市況に左右されにくい収益構造を築く。
同社の開示セグメントでは液晶材料などの「オプトロニクス」、産業用の「インダストリアルテープ」と医薬などの「ライフサイエンス」がある。22年3月期のオプトロニクスの営業利益は870億円を見込み、全体(全社消去などを除くベース)の64%を占め、インダストリアルテープ(380億円、28%)とライフサイエンス(100億円、7%)を大きく上回る。
同社の開示セグメントでは液晶材料などの「オプトロニクス」、産業用の「インダストリアルテープ」と医薬などの「ライフサイエンス」がある。22年3月期のオプトロニクスの営業利益は870億円を見込み、全体(全社消去などを除くベース)の64%を占め、インダストリアルテープ(380億円、28%)とライフサイエンス(100億円、7%)を大きく上回る。
24年3月期までにインダストリアルテープとライフサイエンスの合計で占める割合を42%とし、それ以降も段階的に割合を引き上げる。高崎社長は「2つの領域にはオプトロニクスを上回る成長率を期待できる。まずは核酸医薬と産業用テープ向けの投資を増やす」と話した。
原料で6割の世界シェアを握る核酸医薬では、24年3月期までに約250億円を増産のために投資する。売上高は24年3月期までに21年3月期の約2倍の400億円を見込む。産業用テープは半導体や電子部品の製造過程に使う商材を拡充するほか、新たに廃棄物を削減できる糸状粘着テープを開発し、事業拡大を目指す。
オプトロニクス事業について「割合は下がるが絶対額は伸ばす」(高崎社長)。新たに注力するのは高精度基板などの電子部品関連だ。データセンターやスマートフォンに使う回路基板には24年3月期までに3年で約650億円を投じる。
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