デスクトップ型のパソコン(PC)用液晶モニターが値上がりしている。家電量販店などでの平均価格はこの1年で約3割上昇した。新型コロナウイルス禍が長引き在宅勤務の機会が一段と拡大。自宅で仕事しやすいよう高画質で大型の製品に買い替える消費者が増えたためだ。

調査会社BCN(東京・千代田)によると、家電量販店やインターネットショップでのモニター1インチ当たりの平均価格は1月時点で約1120円。昨年1月の887円から約3割高くなった。BCNの森英二アナリストは「ここまでの急上昇は珍しい」と話す。

背景にあるのは、高性能製品への売れ筋のシフトだ。





ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京・千代田)では、1月の売れ筋価格帯が4万円弱~5万円程度で、1年前の3万円前後から大きく値上がりしている。国分昭典マネージャは「(大型の)24インチや27インチに買い替える動きが2021年後半からみられる」と指摘。在宅勤務が長引き、視認性に優れ作業効率アップにつながる「大型・高画質」の製品需要が高まっている。

「仕事とゲーム用を兼ねて解像度の高い製品の購入も目立つ」(国分氏)。「プレイステーション(PS)5」などのゲームを大型ディスプレーで楽しむニーズも多いという。

PCモニターの販売が増加傾向にあることも単価アップにつながっているようだ。PC世界大手レノボ・グループ傘下のレノボ・ジャパンでは、21年4~12月の国内PCモニター販売数が前年同期比で約3割増えた。

国内でコロナ禍が始まった20年春ごろは、売れ筋が21インチ前後だった。ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)では「ノート型PCより少しでも画面が大きいものを急いで購入する層が多かった」(熊田弘実主任)。今は在宅用に「法人からも27インチの問い合わせや見積もりが増えている」。

PCモニターの縦横の向きや角度を調節できるモニターアームのほか、ゲーム機やノートPCなどとモニターをつなぐケーブルの引き合いも強い。PCモニター関連の活発な需要はしばらく続きそうだ。

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