大型テレビ向けの有機ELパネル価格が一段と下落した。指標品の1~3月の大口取引価格は2021年10~12月に比べ4~5%安い。有機ELテレビのシェア拡大を狙ったパネルメーカーが増産を続け、需給が緩和している。

有機ELパネルは、四半期ごとにパネルメーカーとテレビメーカーが交渉して価格を決める。1~3月の大口取引価格は、大型の65型品が21年10~12月比で40ドル(5%)ほど安い1枚765ドル前後。流通量の多い55型品も同19ドル(4%)安の1枚456ドル前後だった。下落は3四半期連続となる。





テレビ向けで大半のシェアを握る韓国のLGディスプレー(LGD)は20年夏から増産を続けている。需要は世界で底堅いものの、供給の伸びが上回っているもようだ。

米調査会社DSCCによると、1~3月のパネルメーカーの稼働率は81%と、21年10~12月に比べ3ポイント低下した。供給過剰感は強い。

ロシアによるウクライナ侵攻で、両国のテレビ消費が落ち込む可能性もある。市場では「4~6月も下落基調が続きそうだ」(DSCCの田村喜男アジア代表)との指摘が出ている。

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