中国のディスプレーパネル最大手の京東方科技集団(BOE)は3月30日、2021年の通期決算を発表した。それによれば、売上高は前年比61.79%増の2193億1000万元(約4兆2072億円)に達し、初めて2000億元(約3兆8368億円)の大台を突破した。純利益は前年の5.12倍の258億3100万元(約4955億円)と、大幅な増益を記録した。

好業績の要因についてBOEは、2021年を通じてパネル業界の景気が活況だったことを挙げた。同社のパネル製品の販売量は、2021年は出荷数量ベースで前年比9%増加、パネルの面積ベースでは同37%増加した。また、販売価格の上昇を背景に、パネル事業の粗利益率は前年の18.34%から26.36%へ大きく改善した。





市場調査会社の群智諮詢のデータによれば、BOEはグローバル市場での2021年1月から9月までのシェアが20.5%に達し、韓国のサムスン電子を抜いて業界首位に躍り出た。

BOE自身も決算報告書のなかで、自社のパネル事業の市場シェアがスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、汎用ディスプレー、テレビの主要5分野ですべてトップに立ったと胸を張る。

アップルの「iPhone 13」も採用
とはいえ、最先端技術を要する有機EL(OLED)パネルに関しては、韓国メーカーが依然リードを保っている。群智諮詢のデータによれば、2021年のフレキシブルOLEDパネル市場ではサムスンが50%を超えるシェアを握っていた。

もちろん、BOEは韓国勢に追いつこうと挑戦を続けている。決算報告書によれば、同社の2021年のOLEDパネル生産量は前年比59%増加した。BOEのスマートフォン向けOLEDパネルは、すでにアップルの「iPhone 13」を含む多数のスマホ・メーカーのハイエンド機種に採用されている。

パネル業界は2020年から2年連続で好況を謳歌してきたが、2022年は需給バランスが緩和に向かい、パネルメーカーの経営環境は厳しくなると予想されている。

BOEの決算報告書からは、すでにその兆しが見て取れる。同社の説明によれば、2021年7~9月期から(パネルが組み込まれた)ディスプレー製品の需要が減速。原材料の値上がりや物流コストの上昇などがそこに重なり、(スマホメーカーやテレビメーカーなど)パネルの需要家の生産計画に影響が生じているという。

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