iPhoneの買取価格が高騰しています。一部のモデルはアップルの直販価格を上回る事態となっており、入手困難な状況が続いているようです。なぜこのようなことが起きているのでしょうか。

iPhone 13 Proなどで品薄が続く

6月5日現在、iPhone 13 Proの在庫をアップルで検索してみると、128GBや256GBの小容量モデルは店頭在庫がなく、配送されるまで10日ほど待つ必要があります。売れ筋のiPhone 13も似たような状況です。

ヨドバシカメラやビックカメラもSIMフリーモデルを取り扱っていますが、ほぼ在庫はなく入荷待ちとなっています。Amazon.co.jpでは一部モデルの在庫があるようです。





iPhone 13シリーズは2021年9月に発売されてから時間が経っており、これほど品薄になるのは異例の事態といえます。その原因の1つとして考えられるのが、アップルの直販価格を上回る価格で端末を買い取る業者の存在です。

たとえばiPhone 13 Proの128GBモデルの場合、新品未開封などの条件付きで、ある業者は13万4500円の買取価格を提示しています。これはアップルの直販価格である12万2800円を大きく上回っています。

これまで携帯電話の転売といえば、大手キャリアによる値引き販売を利用したものがよく知られていました。こうした値引き販売にはさまざまな条件がある上に、最近は販売店側もあの手この手で「転売対策」をしています。

しかし買取価格が高騰し、アップルなどから普通に購入したSIMフリー版を買取業者に持ち込むだけで儲かる状態になったことで、在庫の争奪戦が起きているのが現状といえるでしょう。

背景には中国での需要増?
なぜ買取業者は、アップルの販売価格よりも高い価格でiPhoneを買い取ることができるのでしょうか。

スマホの買い取りで広く知られている「イオシス」や「じゃんぱら」の場合、それほど高い価格は提示していません。いかに新品未開封といっても、一般に流通している商品をメーカーの直販価格よりも高く買い取る理由はないはずです。

これに対して、高額で買い取る業者は中国向けの流通チャネルを持っているとの指摘があります。ゲーム機などでもみられる現象ですが、最近は中国で需要が高まると、日本での買取価格が跳ね上がる傾向にあります。

筆者も仕事柄、不要になった機材を売却するのにこうした業者を利用したことがあるのですが、内装は中国の雑居ビルのように簡素なもので、店員さん同士の会話は中国語だったものの、来店客には日本語で丁寧に対応している印象でした。

中国のアップルストアでもiPhoneは普通に売られていますが、価格は日本よりも高いモデルが多いようです。たとえばiPhone 13 Pro Maxの1TBモデルを税抜価格で比べると、日本では17万7091円、中国では1万1497人民元(約22万6000円)と5万円近い差があります。

発売当初の2021年9月の為替レートでは、両者の差は約2万円でした。そこから円安が進んだことで、日本のiPhoneは確実に「安くなった」といえそうです。

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