東京工業大学の白根篤史准教授や岡田健一教授らは通信用信号と電力を無線で同時に伝送できる無線機を開発した。「ミリ波帯」と呼ばれる高速通信用の電波を使い、角度を細かくしぼった電波で通信用信号と電力を同時に受信できた。世界初の成果という。電源が不要なためどこにでも設置でき、高速通信規格「5G」や次世代の「6G」の中継機として使えば高速通信のエリア拡大につながる。
ミリ波帯の電波は高速で通信できるものの直進性が強く、建物などを回り込んでの受信が難しい。解決には中継機の設置が有効だが、数ワットから数十ワット以上といった電力が必要で設置場所が限られる。
ミリ波帯の電波は高速で通信できるものの直進性が強く、建物などを回り込んでの受信が難しい。解決には中継機の設置が有効だが、数ワットから数十ワット以上といった電力が必要で設置場所が限られる。
そこで電力を無線で供給する中継機がこれまでも開発されてきたが、角度を細かくしぼった大電力の電波を受信する機能に対応していないか、もしくは狭い角度でしか受け取れず電力損失が大きかった。
白根准教授らは無線機のアンテナの構造を工夫することで、電力損失を抑えることに成功した。送られてくる電波の角度を0度から45度に変えると、従来は無線機で受信できる電力がもとの数%にまで減っていたが、開発した無線機は46%にまで改善した。通信機能には受信した電波を反射させてそのまま送信に利用する仕組みも搭載し、消費電力を抑えた。
無線機はシリコンと液晶ポリマー基板から成り、通常の半導体チップに近い工程で製造できるため製造コストも低いという。無線電力伝送の効率を高め、早期の実用化をめざす。
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