市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)は18日、第5世代以上のガラス基板を使った液晶ディスプレイ(LCD)パネル生産に関するレポートを発表し、台湾のパネル大手、友達光電(AUO)の第3四半期の稼働率(ガラス基板投入ベース)は50%、群創光電(イノラックス)は71%まで低下すると予測した。全世界の稼働率は前期比7.3ポイント低下し70.1%と予測しており、2010年以来で最も低くなる恐れがある。第4四半期もパネル在庫消化が続き、稼働率は横ばいと予測した。19日付経済日報などが報じた。
トレンドフォースは、新型コロナウイルス特需が終了し、ロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレなどで末端需要が低迷する中、サプライチェーン(供給網)の在庫は危険水域に達していると指摘。
パネルメーカーは2023年明けに在庫高に直面するリスクを回避するため、手元のパネル在庫の消化を進めると予測した。
トレンドフォースは、新型コロナウイルス特需が終了し、ロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレなどで末端需要が低迷する中、サプライチェーン(供給網)の在庫は危険水域に達していると指摘。
パネルメーカーは2023年明けに在庫高に直面するリスクを回避するため、手元のパネル在庫の消化を進めると予測した。
トレンドフォースは、AUOは市場の需要の変化に対応して、第2四半期に生産調整を開始しており、第3四半期も継続すると予測した。イノラックスについては、第3四半期の稼働率が71%と、前期比6.7ポイント低下すると予測した。
鴻海精密工業傘下のシャープは第3四半期の稼働率が59.3%で、前期比26.3ポイント下落すると予測した。報道によると、サムスン電子がパネルの新規調達を停止し、鴻海はシャープの完全子会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP、本社・堺市)に対し、第10世代パネル工場でのガラス基板投入枚数を最小限に減らすよう指示したようだ。
中国のパネルメーカーの第3四半期の稼働率も、▽京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)、前期比4ポイント下落、▽TCL華星光電技術(CSOT)、13.3ポイント下落、▽恵科(HKC)、7.4ポイント下落──と、軒並み下落すると予測した。
トレンドフォースは、中国のパネルメーカーは新工場で量産を開始したばかりで、減価償却の負担が重いと指摘した。
世代別では、テレビ用パネルが90%以上を占める第10.5世代工場は第3四半期の稼働率が68.8%と、前期比17.8ポイント下落すると予測した。
主にノートパソコン向けの第5~第7.5世代工場の稼働率は63.7%で、前期比7.7ポイント下落すると予測した。第8~第10.5世代工場の稼働率は75%で、7ポイント下落すると予測した。
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