韓国ディスプレイがぎゅっと握っていたアップル供給市場に変化が生じかねないという見通しが出ている。中国最大のディスプレイメーカーであるBOEがアップルの新製品であるiPhone14にOLED(有機発光ダイオード)パネルを本格的に供給してからだ。これまでアップルはiPhoneの新製品にサムスンディスプレイとLGディスプレイのOLEDパネルだけを使ってきた。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。

18日、市場調査機関のオムディアによると、6月の1ヵ月間、BOEのモバイル向けOLEDパネル出荷量は540万台で、前月の5月(440万台)に比べて23%急増した。同期間、主力のLCD(液晶表示装置)スマートフォンパネル出荷量(250万台)よりも多い。

アップルとの取引を6月から再開し、OLEDパネルの出荷量が増えた。今年初め、BOEはiPhone13用OLEDパネルのTFT(薄膜トランジスタ)をアップルの承認なしに任意に設計変更し、供給企業から排除された。





BOEはメイン製品のiPhone14(6.1インチ)にパネルを供給するという。これまでBOEはiPhone交換用(リファビッシュ)製品だけにパネルを供給してきたが、BOEがメイン新製品にパネルを供給するのは今回が初めてだ。前作のiPhone13まではサムスンディスプレイとLGディスプレイがそれぞれ7:3程度の割合で大部分のiPhone OLEDパネルを供給してきた。

アップルは来月7日(現地時間)△iPhone14(6.1インチ)、△iPhone14マックス(6.7インチ)、△iPhone14プロ(6.1インチ)、△iPhone14プロマックス(6.7インチ)の計4種で構成されたiPhone14シリーズを公開するものと予想される。

BOEが新しいライバルとして追加され、アップルのパネル供給ラインにも変化が生じるだろうという見通しが出ている。サムスンディスプレイはiPhone14シリーズに約8000万台、LGディスプレイは約2500万台のOLEDパネルを、BOEは500万台ほどを供給するという。BOEの納品規模が今のところ両韓国会社と比べてかなり少ないが、新製品にパネルを供給し始めたということだけで厳しいことで有名なアップルの供給会社ラインに正式に含まれたという意味であるためだ。

一部ではアップルがBOEをサムスンディスプレイ・LGディスプレイとの供給契約に利用するためにわざと選択したという分析もある。ライバル会社を増やして納品基準と価格などをアップルに有利に持ち込むためだ。アップルは信頼が崩れた企業とは再び取引しないことで有名だ。

技術競争力を競っていたサムスンディスプレイとLGディスプレイは、BOEの参戦で価格競争力まで考慮しなければならない状況に置かれている。BOEが急速に技術競争力を育てているだけに、逆転に対する懸念も出ている。

ディスプレイ業界関係者は「まだ技術格差が大きい方」としながらも「いつまで韓国ディスプレイメーカーが現在の比重を固守するとは言えないので、長期的には脅威になりうる」と述べた。サムスンディスプレイとLGディスプレイはアップルにLPTS(低温多結晶シリコン)だけでなく、LTPO(低温多結晶酸化物)技術を採用したOLEDを供給するが、BOEはLPTSだけを供給する。LTPOはLPTSに比べて画面がより柔らかくバッテリー性能もより効率的だが、価格が高く製造工程が複雑だ。

また別のディスプレイ関係者は「価格競争をするのは難しいので、現在としてはBOEが追いつかない技術競争力を備えて逃げなければならない」と述べた。

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