韓国電子部品大手LGイノテックの米アップルへの依存度が高まっている。直近ではiPhone向けカメラモジュールで売上高が1兆円超と、全体の75%を占める。受注拡大を見越して7月には1兆4000億ウォン(約1450億円)の増産投資も決めた。アップルに傾倒するLGイノテックの現状は、液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)のかつての姿と重なる。
韓国南東部の亀尾市のLGイノテックの主力拠点では、今秋発売の「iPhone14」向けのカメラモジュール生産の最盛期を迎えている。サプライヤーによると今年の受注量は、前年比5割増だった昨年をさらに上回るという。
カメラモジュールは、イメージセンサーやレンズ、補正部品などを組み合わせたスマホの主要部品。iPhoneではLGイノテックとシャープ、中国欧菲光集団(オーフィルム)の3社が供給を担ってきた。
韓国南東部の亀尾市のLGイノテックの主力拠点では、今秋発売の「iPhone14」向けのカメラモジュール生産の最盛期を迎えている。サプライヤーによると今年の受注量は、前年比5割増だった昨年をさらに上回るという。
カメラモジュールは、イメージセンサーやレンズ、補正部品などを組み合わせたスマホの主要部品。iPhoneではLGイノテックとシャープ、中国欧菲光集団(オーフィルム)の3社が供給を担ってきた。
ただ、オーフィルムが米商務省の規制対象となったことで2021年にアップルへの供給が停止。シャープは新型コロナウイルスの行動制限で、ベトナム工場の出荷量が低迷した。結果的にLGイノテックが供給を大きく伸ばした。
LGイノテックの売上高に占めるアップル比率は、16年時点で37%だった。その後、背面カメラが「2眼」「3眼」と増えたことでカメラモジュールの需要は2倍、3倍と急増。21年には比率は75%に達した。主要供給先の一つだったグループのLG電子が、スマホ事業から撤退した要因も大きい。
LGイノテックの21年の売上高は前の期比57%増の約1兆5500億円となった。勢いそのままに、LG電子の旧スマホ工場を買い取り、増産投資も表明した。
アップル比率の上昇と先行投資――。それは、かつてアップルに振り回されるままに経営不振に陥ったJDIがたどった道でもある。
JDIはアップル比率が4割を超えた15年、1700億円をかけて実質的なアップル専用の白山工場(現シャープディスプレイテクノロジー白山事業所)の建設を決めた。ただ同年秋発売の「6s」の販売が低迷すると、アップルは建設中止を要請。後戻りできないJDIは資金繰りが急速に悪化した。
アップルは主要部品を3社購買する原則を持つ。カメラモジュールでもオーフィルムに代わる3社目を模索しているとされ、LGイノテックへの大量発注が今後も続く保証はない。
単一機種の販売量で世界最多のiPhoneを抱えるアップルは、サプライヤーにとって魅力的な顧客だ。ただ厳しい要求と振れ幅の大きい販売量のために「アップル依存はマイナス面も大きい」(証券アナリスト)とされる。LGイノテックの躍進の裏で、JDIの二の舞いとなるリスクが静かに高まっている。
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