サムスンSDIがバッテリーだけでなく半導体、ディスプレイ素材などの成長可能性が高い次世代市場攻略に速度を上げている。特に電子材料事業部門は多様なディスプレイ素材を開発し、高い収益性を維持している。韓国メディア「EBN産業経済」が報じた。

3日、市場調査機関のオムディアによると、2023年はモバイル向けOLED浸透率は約40%水準に達するものと予想される。IT用OLED浸透率は2025年には約7%水準まで拡大する見通しだ。
ITやテレビ市場の拡大でディスプレイ素材メーカーの安定的な成長が期待される中、サムスンSDIも先端ディスプレイ素材の開発に力を入れている。





サムスンSDIはディスプレイの視野角を広げ、大型ディスプレイの開発を容易にし、曲がるディスプレイのための素材を作り出すなど、先端素材を通じてディスプレイ産業の発展を支えている。

サムスンSDIが世界で初めて開発したQLC偏光フィルムは、ディスプレイの視認性を改善した素材だ。革新性が認められ、2020年にを受賞した。

バックライトを光源として使うテレビの場合、光の屈折が発生する。正面から見ると高解像度画質を見ることができるが、側面から見れば画質が悪くなる。

サムスンSDIはディスプレイをどの角度からもよく見えるようにするために独自設計した微細パターンで、従来にはなかったQLC偏光フィルムを作った。これを通じて正面に向かう光は拡散させ、側面から漏れる光は防ぐことで視野角を広げた。

サムスンSDIは「この微細パターンは髪の毛の太さの10分の1水準のパターンを10万個以上精密に加工しなければならない技術で品質を均一にしながらも生産性を高める過程が非常に難しかった」と説明した。

また、サムスンSDIは優れた耐久性を持つTFE(Thin Film Encapsulation)を開発・量産し、グローバルパネル社に提供することでOLEDパネルの歩留まり向上および工程安定化に貢献している。

OLEDパネルは有機物を蒸着して生産されるため、酸素、水分などの外部環境に敏感だ。したがって、パネルを保護する材料がパネル性能および信頼性に重要な役割を果たす。

OLED素子を保護するEncapsulaion工程は3段階で行われ、サムスンSDIのTFEは2段階有機層工程に使われる。サムスンSDIは「Inkjet工程に適合するようTFEの物性を最適化する技術を保有している」と強調した。

今のフォルダブルスマートフォンを可能にした中核素材であるFOCA(フォルダブル光学用透明粘着フィルム)も開発した。

従来のスマートフォン用ディスプレイ素材の場合、硬くて薄い場合が多く、折れる部分に屈曲や破損が生じやすい。 サムスンSDIが開発したFOCAは、従来のディスプレイの中の保護フィルム、ウィンドウ、OLEDなど各素材を付着する役割を果たし、素材間の接着だけでなく、屈曲部位で各素材に集中する力を緩和させ、変形と破損を防止する。

一般的な光学粘着フィルムをフォルダブルスマートフォンに採用する場合、各層のフォールディングによる応力によってディスプレイ部品の変形と割れ現象が発生する。特に低温と高温でのフォールディング信頼性まで同時に確保することはさらに難しい。

サムスンSDIは「独自開発したハイブリッド粘着バインダーを通じて既存製品で実現が不可能だった低温・高温での20万回以上フォールディング信頼性を確保し、2019年に世界で初めてFOCA量産化に成功した」と述べた。

続けて「これは米国と日本などのグローバル企業が席巻していたスマートフォン用光学粘着フィルム市場に後発走者として参入し、ライバル会社より優秀な製品特性で市場の認定を受けることになった」とし「規模が拡大しているフォルダブルスマートフォン市場で確実に成長動力を確保することになった」と強調した。

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