Googleは、iPhoneの主要なメッセージ機能であるiMessageの仕様を「時代遅れだ」と主張し、変更するようAppleに訴えるキャンペーンを続けています。しかし、Appleはこの主張を無視し続けているようです。
GoogleのAndroidチームは、Appleに圧力をかけるため「Get The Message」というウェブサイトを公開しました。この中でGoogleは、iPhoneがAndroidからのメッセージをSMSやMMSに変えてしまうことについて、「90年代や00年代の時代遅れの技術」だと非難しています。
同サイトによると、このiMessageの仕様は、「ぼやけたビデオ、壊れたグループチャット、既読レシートや入力インジケータの消失、Wi-Fi経由でのテキスト送信不可、その他」につながる可能性があるとのことです。
そこで、GoogleがAppleに対応するよう求めているのがRCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)です。同社によればRCSは、iPhoneとやり取りをしているAndroidユーザーに「高解像度の写真やビデオの共有、開封確認、絵文字の反応、エンドツーエンド暗号化によるセキュリティやプライバシー向上など」をもたらすそうです。
しかし、なぜGoogleがiPhoneの仕様に口を出すのでしょうか?テック系メディア「Cut Of Mac」は、GoogleがRCS対応を望んでいるのは、善意からではないと指摘しています。これは、iMessageがRCSに対応すれば、iOSからGoogleのAndroid OSに乗り換える人の数が増える可能性が高いからです。
iPhoneが他のAppleユーザーからテキストを受信した場合、そのテキストは青い吹き出しで表示されます。しかし、Androidユーザーからのテキストは緑色の吹き出しで表示されます。また、iMessageの多くの機能は、Appleの端末以外では使えません。
調査会社「Piper Jaffray」の調べによれば、米国の10代の88%がiPhoneを所有しており、iMessageを使うことに慣れているそう。また「Cult Of Mac」によれば、以前には「緑の吹き出しが出るAndroidは使うな」という同調圧力がティーンエージャーの間にあるということも報告されています。
Googleは10月に開催したPixel 7シリーズ発表の際も、RCSについて触れており、そのメリットについて解説しています。Googleは「Apple」という単語を言いませんでしたが、同社が誰を指していたかはかなり明白です。
しかし、Appleは今のところ、RCSに対応する気はないようです。CNBCが開催したイベント「Code 2022」では、「Android携帯を使っている母親に(iMessageで)動画を送れない」というiPhoneユーザーに対し、Appleのティム・クックCEOは「あなたのお母さんにiPhoneを買ってあげなさい」と提案していました。
AppleがRCSをサポートすれば、クロスプラットフォームの違いはなくなり、iPhoneを選ぶ理由が1つ減ることになります。だからこそ、Googleはここまでしつこく説得を試み、Appleは無視し続けるのです。
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